俺は根暗で誰ともしゃべりたくない性格で本当にクズで馬鹿で、死んでもしまった方がいいのではないか?と思うほど仕事もない彼女もいない、未来も何もない俺だったんだ。そんな俺がカナダに来て働きながら一年間過ごせたんだ。本当にびっくりしている。
最初は、お決まりの語学学校通い、しかし俺はニートだったから日本人とは誰とも口を聞かなかった。毎日、異質な俺に対する、日本語の悪口を聞きながら過ごした、これは三ヶ月ずっと続いた。
日本人とは誰とも口を利かなかった俺もさびしくなりはじめ他の国の生徒や先生と英語で会話し始めた。最初は恥ずかしかったがなぜか女性には国籍とわずやたらもてた。
とりあえず、メキシカンや韓国人、中国人などと仲良くしながら片言英語を学び三ヶ月たった後カフェで働き始めた。ここで俺の英語がどれだけひどいものか痛感させられた。そして意地悪な仲間からはdisgusting!Asshole!idiot!とたびたび罵詈雑言を浴びせられ、お前なんでそんなにしゃべれねえーんだよ、日本人て馬鹿だなと言われたり今でも覚えてるのはレジに立ってたときI don’t understand why you are still standing hereと言われたりした。さらに勇気を奮って率先してレジに立とうものならbuck offとののしられ店の隅っこにおいやられるような毎日が続いた。
こんな職場と家との往復、しかし俺は日本人の友人はひとりも作らなかったしルームメイトの日本人ともあいさつ以外は一言も口を聞かなかった。
そんなこんなで散々な日々を送りながら六ヶ月たったある日、俺は家に帰るといつものようにテレビのスイッチをつけた。そしたらCMをぼーっとしながら見ていると話の内容が全てわかるようになっていたのだ・・まるでスローで再生しているような感覚、とにかく俺の耳は英語を聞き取れるようになっていたらしい。それから自信がでてきたからか店でもバリバリ英語をしゃべれるようになっていった、これは怖気づかなくなったということもあると思う。ここで何年も暮らしてるような人にしたら俺の英語はまだまだ下手糞だろうけど俺は以前よりましな英語をしゃべれるようになったんだ。
以前店に来て遠くの席でできゃーきゃー俺の英語を散々けなして馬鹿にしていた女性達も俺の英語にびっくりして話しかけてきてエクスチェンジのパートナーが14人もいて大変だから一人紹介してあげようか?なんて言ってきた。でも結局その男からは一切連絡なかった(なんだったんだ)。
そして一年がたち店をやめるとき、俺を以前一番ののしりまくっていた男が、「お前くらいできる店員はいない、俺がhelpが必要なときお前が隣にいないと本当につらい、日本にいってしまうのが本当にさびしいよ」(すまん、正確な英文は覚えてない)
こんな風に言われ、おもいきり腕を握られた。俺は英語がある程度しゃべれるようになった時、もうクビになる心配もないし彼に激怒するべきなのか喧嘩をふっかけるべきなのか考えあぐねたが、何もせずもくもくと働いた。そしてそれが正解だとわかった。
余談だが、俺はこの店でなぜかもてまくった、少なくとも3人の女の子から電話番号を聞かれ、一人の白人の女の子からは実際にlike youと二人だけのときにささやかれた。でも元ニートで女の子とのつきあい方がわからなかった俺は恐怖してI don’t want girl friendといってしまい。Neetはゲイということになってしまった。
店をやめるときはオーナーから箱にいろいろ詰めて「thank you ,neet if you came buck again I would want you to work together(英文がさだかではないけどこんな感じだった)」と言われた。
いろいろあったが元ニートの俺がここまでやれた。それだけで俺にとっては満足だ。人によっては一年でもっと英語がしゃべれるようになって、もっといろんな出会いや経験をした人もいるだろうな、でも、オレはオレ。このカナダで本当の自分を見つけ出した。
Good bye Canada!そしてTake care!残るお前ら、そしてこれから来るお前らへ。