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No.268
《みんなで作る小説》約束を果たすために
by 作創太郎 from 無回答 2006/11/28 06:55:37

俺は30分近くも入国審査の長い列を待たされ、やっとのことで通り抜けた。パスポートにカナダのスタンプが押されたあった。

俺は今バンクーバーの空港に着いたところだ。
長い間待ち続けた。そう約束を果たすためにここにいるのだ。

Res.1 by 無回答 from 無回答 2006/11/28 18:07:05

俺の名は宮田健太郎

通称、  
Res.2 by 無回答 from バンクーバー 2006/11/28 18:39:29

宮田健太。
だが人は俺のことをあまり覚えてくれない、
そう、俺は.....  
Res.3 by 無回答 from バンクーバー 2006/11/28 20:26:41

ロシア生まれの菊人形職人。
そして・・・  
Res.4 by 無回答 from バンクーバー 2006/11/28 20:50:58

空港からヒッチハイクでDowntownまで行こうとした
そのとき「ミヤケン」と呼ばれて振り向いたら
そこには・・・・  
Res.5 by 無回答 from 無回答 2006/11/28 23:32:50

もう一人のミヤケンがいた...
 
Res.6 by 無回答 from 無回答 2006/11/28 23:59:34

彼の名は雅剣(みやびけん)。
ホスト時代の先輩だ。
一体何年ぶりの再会だろう。
喜びを抑えきれず俺はもうひとりのミヤケンに向かってこう言った。  
Res.7 by 作創太郎 from 無回答 2006/11/29 05:02:45

「なぜ、あんたがここにいるんだ」

俺は冷静を保って言ったが、驚きを隠せずにいた。
そして、あのときのことがばれていないかが最大の不安だった。  
Res.8 by 無回答 from 無回答 2006/11/29 11:59:26

覚えていないことを願って、ミヤケンの大好物、うまい棒のやさいサラダ味を差し出すと....

 
Res.9 by 苦瓜苦子 from バンクーバー 2006/11/29 12:03:42

「そんなことで、ごまかそうというのか?」とでも言うような眼差しでこちらを見る。

動揺を隠せない。

しばらく沈黙が続いた。  
Res.10 by 無回答 from 無回答 2006/11/29 12:10:59

そう、あのとき.....22の春。
その歳になるまで俺は「汚職事件」を「お食事券」だと思い込んでいた。

お客との会話は官僚汚職事件へ移ったが、俺は話の流れが全く読めなかった。
だが食事券ごときでこれだけ大騒ぎになるということは、それは相当な額であったことは俺にも理解できた。

当時、俺の成績は最低だった。とにかく会話しないと金にならない。
この会話の主導権を握らなければならない。Yes、俺は焦っていた。
そして会話に割り込んだ。

「どんだけいいモン食ってんだYO!」

「○○さんからドンペリ入りまーす!!!」

幸いなことに俺の声は隣のテーブルのドンペリコール開始の合図にかき消された。

誰かの強い視線に俺は気づいた。振り向くとミヤケンと目が合った。
慈悲愛に満ち溢れたミヤケンの微笑み。俺を憐れむ目。
あれは、あの顔は、俺が「お食事券」と勘違いしていたことに気づいていたのか、
いなかったのか....

俺は平静を保ち自分へ言い聞かせた。
『おちつけ、俺!今の俺は、あの時とは違う。』
今、俺は充分に強い。
もしミヤケンがあの時のことを持ち出したら、俺は最高裁まで戦うつもりだ。

だが、意外にもミヤケンの口から出た言葉は、  
Res.11 by 無回答 from 無回答 2006/11/29 12:28:57

whats up yo, homy!!

ミヤケンのナリからは似つかわしくない、英語が口をついて出てきたのだった。

遠くに来たものだな...

 
Res.12 by 無回答 from バンクーバー 2006/11/29 13:36:29

すると、ミヤケンの背後に黒いスーツにサングラスをつけた2人組の外国人が現れた。  
Res.13 by 作創太郎 from 無回答 2006/11/30 04:36:58

そして、2人ともスーツの中に手をやった。

俺は瞬時に身の危険を感じ取り、空港の建物に戻って必死に走り、人ごみに紛れた。さすがにここで銃は使わないだろう。俺は後ろを振り向いた。

やつらが追ってくる。俺はさらに走って逃げ、タクシーをつかまえすぐに出発させた。後ろの席からやつらを見る。やつらはすぐに近くにあった車に乗った。車は白いトヨタ車だった。

俺は慣れない英語でタクシーの運転手に言った。

「俺はやつらに命を狙われている。頼む、急いでくれ。」

タクシーの運転手はアラブ系の顔つきだった。そして、顔を縦に振ってこう言った。

「俺は昔はカーレーサーだったんだ。いっとくが速いぜ。チップは倍だ。いいな?」  
Res.14 by 無回答 from 無回答 2006/11/30 11:05:46

(チップは倍)の言葉に一瞬降りようか迷った、  
Res.15 by 無回答 from バンクーバー 2006/11/30 11:18:01

そしてやっぱり降りることにした。  
Res.16 by 無回答 from バンクーバー 2006/11/30 11:48:15

するとそのアラブ系ドライバーは俺にこう言った。  
Res.17 by 無回答 from 無回答 2006/11/30 12:10:39

「クソー! オマエノ カアチャン デベソ!」  
Res.18 by 無回答 from バンクーバー 2006/11/30 12:13:12

俺は愕然とした。俺の母ちゃんは本当にデベソだからだ。何故知っているのだ・・・?まさか、こいつは・・・?  
Res.19 by 無回答 from 無回答 2006/11/30 12:23:39

生き別れになった俺の双子の弟?  
Res.20 by 無回答 from バンクーバー 2006/11/30 13:19:34

そうです。
思い起こせば、今から20年前
でべそをバンドエイドで張って隠していた
母さんは入浴中を父さんに見られ
それからというもの
でべそが原因で離婚。
そして、ミヤケンの双子の兄弟は・・・  
Res.21 by 無回答 from 無回答 2006/11/30 13:41:04

引き裂かれ、それぞれ全く違った環境で育っていった。

「もしや、おまえは、俺の弟の千太郎か?
だったら母ちゃんの名前を言ってみろ!」

ドライバーはうつむいて涙ぐみながら、

「オマエノ カアチャン カズエ!」
 
Res.22 by 無回答 from バンクーバー 2006/11/30 22:50:38

違った。

俺の母ちゃんの名は「カズエ」ではない。

泣きじゃくるドライバーを記念に写真におさめ、黙ってタクシーを下りた。そして日本で友人に勧められた「ヤオハン」という所を探す事にした。なんでもこの「ヤオハン」には、日本ではまず手に入らない「アレ」が流通しているらしい。その「アレ」とは…  
Res.23 by 無回答 from バンクーバー 2006/11/30 23:39:02

凄い美味しい焼き豚です。
「あったぁ〜。これを探していたんだよ」

お会計を済ませ、フードコートに行くと
見たことのある日本人に会った。。。
それは・・・・・  
Res.24 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/01 07:22:30

以前、2年間も片思いだった純子だった。

純子とは高校1年のときに同じクラスだった。そのとき俺は内気で彼女に声をかけられなかった。席は俺の前だった。彼女は小柄で身長は160cmぐらいでやせ気味だった。目は二重まぶたでくっきりとしている。好みは人それぞれだが、彼女は美人の部類に入るだろう。

そんな俺はバンクーバーで会って、どう話しかけようか迷った。そして逡巡したあげく、こう言った。  
Res.25 by 無回答 from バンクーバー 2006/12/01 09:02:05

「おまえ太ったな」
 純子はカナダ滞在者の類にもれず、半年10㎏コースで肥えていた。高校自体の面影といえば、くっきりとした二重まぶただが、その印象もくっきりとした二重顎に薄れてしまうほどだ。  
Res.26 by 無回答 from 無回答 2006/12/01 11:58:23

純子は俺の発した一言にモノともせず、バックから何やら粉のようなモノを俺にすすめた。

粉?食べ物か?好奇心旺盛だけが取り柄の俺....しかしソレを口に含んで良いものかどうか悩む俺...

出した答えは、、、  
Res.27 by 無回答 from 無回答 2006/12/01 12:24:16

おそるおそる口にした。
「?!」
それは無味無臭、口のなかですーっと溶けて消えた。
何も感じない。一体なんだこれは?
純子はニヤリと笑ってこう言った。  
Res.28 by Warai chan from バンクーバー 2006/12/01 20:17:47

「ほーーっほっほ。
これで、あなたは私の奴隷」

そして、僕の意識が薄れていった。  
Res.29 by 無回答 from トロント 2006/12/01 20:32:28

…何時間眠っていたのだろうか…

遠くで人の話声が聞こえ、目が覚めた。
ここはどこだろう…?
白い天井、アンバー色の証明
カーテン…だれかの家みたいだ。

そこで、話声が止み、一人が僕の顔を覗き込んで
こう言った。

「アンニョハセヨ?」  
Res.30 by ババンバ from バンクーバー 2006/12/02 00:04:09

確かにそう聞こえた。韓国語…。
俺は韓国語が喋れないので、どうしたものかと困っていると、

「バッカ、ウソだよ、ウッソ!!ハハハハ、バカだハハハハ!!
 いや〜元気そうじゃないかミヤケン!ミヤケンちゃん!ハハハ!」

・・・・

うっぜ〜、誰コイツ…。  
Res.31 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/02 06:09:28

俺は、無視してあたりを見渡した。こいつのほかに誰もいない。

俺は仕方なく、聞いた。

「お前はだれだ?」  
Res.32 by 無回答 from 無回答 2006/12/02 17:55:47

「オマエコソダレ!!!」と言われた・・・  
Res.33 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/02 21:11:20

俺は、それを聞いて理解できなかった。

そもそも、さっき、ミヤケンって俺の名前を言っただろうが。
俺は、こいつの頭の中をとっさに分析してみた。しかし何もわからない。分析なんて大それたことをしたことがない。

しかし、こんな変なやつが高校時代にいたことを思い出した。隣のクラスにいた勝彦だ。もしやこいつ、勝彦!?。

俺はかすかな記憶をたどりながら、こいつの顔を見た。わずかにかすかな勝彦の面影がある。しかし、あのときとは全然違う。長い月日は人をこうまで変えるのか?

俺は言った。

「おまえ勝彦だろ?」
「そうだ。よく覚えていたな。」
「おまえ変わったな?昔はまじめで口数は少なかったのに」
「ああ、いろいろなあったからな。正直頭がおかしくなっちまったよ、ぎゃははは」

俺は勝彦を憐憫のまなざしで見た。俺が最も相手にしたくない人間だ。俺は勝彦と関わっている暇がない。

「悪いが俺は行く。純子はどこに行った?」

勝彦はこう言った。  
Res.34 by 無回答 from トロント 2006/12/02 22:00:31

もう一人のミヤケンと消えたみたいだよ…  
Res.35 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/03 01:12:13

俺はあまりのことにショックを隠しきれなかった。

ミヤケンと純子がつながっていたなんて・・・
2人はどういう関係なんだ・・・

俺は勝彦に問いただした。

「あの2人はどんな関係なんだ」
「あの2人は恋人同士だよ。純子はミヤケンを呼びにいったんだ。俺は見張り役ってわけ。ぎゃははは」

俺は考えた。いつまでもここにいるわけにいかない。俺は周りを見渡し、すぐ右手にバットがあることに気づいた。そして、勝彦に気づかれずに、バットを握り振りかざした。
 
Res.36 by 苦瓜苦子 from バンクーバー 2006/12/03 01:20:39

バットはもちろん勝彦を殴ってその隙に逃げるはずだった。
でも俺は生まれて一度も人に手を上げたことがない。
緊張していた。
勢いよく振りかざしたバットは、勝彦のすぐ隣にあった花瓶に当たった。  
Res.37 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/03 04:32:18

勝彦は何が起こったか把握できず、呆然とただ見つめていた。そして、割れた花瓶の破片が床に落ちるのを見て、やっとのことで事態を飲み込めた。

「やめろ」

そういうのがせいっぱいだった。勝彦の表情は先ほどまでの人をばかにした目ではない。顔はひきつっている。

その時だ。部屋の中にもう一人のミヤケンが現れた。  
Res.38 by ババンバ from バンクーバー 2006/12/03 15:43:59

「ミヤケンさん…、あんたなぜ俺にこんな事をする?何が目的だ!」

するとミヤケン(先輩)は静かにこう言った。
「ミヤケン、お前、BIG Gとの約束を果たしにここまで来たんだろ?お前、BIG Gがどういう男が知っているのか?この国でBIG Gに近づくような行動を取ってみろ。15分でフレイザーリバーに沈む事になるぞ。」

そう…、俺は8年前に日本で出会ったBIG Gという男との約束を果たしにこの北の地まで来たのだった。その約束とは…  
Res.39 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/03 16:07:57

8年前のことだった。その頃俺は、美紀と付き合っていた。しかし、突然、BIG Gが現れ、俺にこう言った。

「お前と戦い勝ったら、美紀は俺がもらう」

そして、俺たちは戦うことになった。勝負の方法は簡単だった。お互いナイフを持って、倒れるまで戦うというルールだ。

俺はナイフの扱いに慣れていたつもりだが、BIG Gのほうが上だった。
そして俺は負けた。BIG Gはこう言った。

「お前は弱いな」
「いつかおまえを倒してやる」
「そうか、では8年後に俺を倒しにこい。忘れないために体に覚えさせてやる」

と言うと同時に、俺の胸にVの字を切り刻んだ。

「このVはバンクーバーのVだ。いつでも来い」

そう言って、美紀を強引に奪い、BIG Gと美紀は俺の前から去った。それから俺はBIG Gを倒すためだけに生きてきた。  
Res.40 by from トロント 2006/12/03 23:23:56

それは全てが理不尽だった。頭が朦朧とするなかで私は思った。どうしてこの顔も知らぬ男が美紀を奪うのか、いや、それよりも何故戦わなければならなかったのか。そして俺の胸に無残に刻まれちゃったバンクーバーのVサイン、、何かがおかしい。そしてこの8年間、あぁ、本当に色々なことがあったんだ。  
Res.41 by ババンバ from バンクーバー 2006/12/04 00:49:24

美紀を失った直後、俺は恵子という女と付き合い始めた。8年という月日は気が遠くなるほど長いと感じたからだ。恵子の笑顔と腰使いは、すぐに美紀の存在を忘れさせてくれるかに思えた。

しかし、幸せは長くは続かなかった。  
Res.42 by 無回答 from バンクーバー 2006/12/04 01:11:38

傷心のまま、ロブソン ストリートを歩いていると・・・
道路の向こう側を歩いている
一人の日本人女性を見つけた。
それは、・・・・・  
Res.43 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/04 01:40:53

美紀だった。

最初は気づかなかった。しかし俺の悲しみがすぐにそれを思い出させた。思い出すとすぐに追いかけた。そして美紀が角を曲がり、俺も曲がろうとした。しかし、美紀とあのBIG Gがいた。俺はやつらに見つからないように、様子を見ていた。

一瞬戦ってやろうと思ったが、体が恐怖を感じている。今の俺の実力ではまだ勝てない。俺はBIG Gと美紀が一緒に去っていくの黙って見ているしかなかった。

そして、俺は日本に帰り特訓を続けた。そして月日が流れた。

「ミヤケンさん、あんたBIG Gの居場所を教えてくれないか?」

ミヤケンは、フンと鼻で笑った。

「やつに会いたければ、俺を倒してから行くんだな。」

俺は覚悟を決めた。
 
Res.44 by 無回答 from トロント 2006/12/04 02:35:39

土砂降りの雨の中だった、ミヤケンと戦うことになろうとは思いもしなかったが、美紀のためだ。しょうがない。 ”ん??、、なんだあれは?” ちょっとまってくれミヤケンさん、あそこのドアの近くに居るのはなんですか?  
Res.45 by 無回答 from バンクーバー 2006/12/04 03:04:30

それはあまりにも異様な光景だった。一人の奇妙な女性が居た。私は今になっても思う、後から思えば気づくべきだったのだ、ミヤケンさんがどうしてこの妙な事実に気づかなかったかということに。いや、もしかすると気づいていたのかもしれない、しかし私にそのことを伝えるすべはもうその時には失っていたのかもしれない。  
Res.46 by from トロント 2006/12/04 03:20:23

雨は刻々と激しくなっていった。彼女の小さな体を包み込んでいる薄い淡紅色のワンピースが、彼女の白すぎる皮膚と混色されてぼやけて見える。そして汚く踏み潰された白のスニーカーと雨に濡れた漆黒の黒髪が、体育館裏の白蛍光灯に照らされ息の詰まる鈍さを感じさせる。  
Res.47 by from トロント 2006/12/04 03:32:30

目を凝らす、彼女は居るのだ、でも何かがおかしい。生きているという立体感がまるで感じられない。生理的恐怖、私が感じたものはそれだった。あり得ないモノがそこに居るという恐怖で息が詰まる。身長や体つきは美紀と同じぐらい、しかし彼女の顔は常人のそれより大きく目が異様に小さい。そして顔のあちこちに赤みがかった脂肪片のようなものが付着していた。「ミヤケンさん、、あれなんでしょうかね?」無理にでも笑いたかった。「あれはペトロンさんで今日はネギが食べたいから卵の殻を指に刺すんだね」とミヤケンさんが笑った。私は恐怖のあまり倒れた。  
Res.48 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/04 04:13:30

俺は目を覚ました。

2,3時間ほど寝ていたのか?頭がいたい。周りを見渡すとミヤケンと勝彦も倒れている。そして、女の声が聞こえた。その声には聞き覚えがあった。そう恵子だった。

「どう、私の変装うまかったでしょ?本物の幽霊みたいでしょ?」
「俺は恐怖のあまり意識をなくしてしまったぞ、なんでやつらも倒れている?おまえが倒したのか?」
「ハハハ、そうよ。この部屋に睡眠ガスを流したの。あなたは恐怖で
倒れたんじゃなく、睡眠ガスで倒れたのよ」
「そうだったのか・・・」
「さあ、BIG Gのところへ行くわよ」
「行くってどこへ?」
「純子は今、ガスタウンへ向かっているわ。恐らくそこでBIG Gと会うと思う。さあ、早く行きましょう」
「わかった」

まさか、恵子と会うとは・・・しかしおかげで助かった。
そして俺と恵子はガスタウンへと向かった。  
Res.49 by ババンバ from バンクーバー 2006/12/04 14:05:45

観光客で賑わうガスタウン。時計台の前で写真を撮る者、ベタそうなおみやげを両手に提げている者。そんな観光名所からほんの数ブロックのところには、浮浪者やジャンキーが集まるエリアが続いている。そんな空気が俺を常に緊張させていた。俺は観光客達の合間にいつBIG Gの姿を見つけてもいいよう、全身の神経を研ぎすましていた。ポケットに突っ込んだ右手には、8年間毎日磨き続けたあのナイフを握りしめて。

その緊張を全く感じ取らなかったのか、一人の老いた浮浪者が近づいてくるのが視界に入った。どうせ物乞いだろう。相手にするのは面倒なので、気付かない振りをしていた。

浮浪者は俺の目の前まで来て立ち止まった。空き缶やガラクタが満載の錆びたショッピングカートを押し、全身ヨレヨレの黄ばんだ服を身につけ、灰色の髪とあご髭は腰の辺りまでボサボサに伸び、半年後には生きてるかどうかも怪しい、汚らしく小さい老人だった。

「小銭は持ってませんよ。」
さっさと消えて欲しい俺は、目も合わさずにそう言い捨てた。
すると老人はこう言った。
「お主らか、BIG Gの事を嗅ぎ回っとる愚か者どもは…。」

俺は耳を疑った。この爺さんは一体何者だ…?俺はその場に立ち尽くし、ただただこの老人を目で詮索するしかなかった。老人は顔を上げ、伸び切った眉毛に隠れていた両目で俺を見据えた。その目には悲しみ、痛み、憎しみの全ての様なものが宿っているかに見えた。俺は完全に動けなくなった。

老人は俺のシャツの胸ぐらを掴み、グッと引き下げた。そこには8年前に付けられたあの『V』の傷が、いまだに赤みをおびて疼いているのだった。

「あんたは…なぜ…」
ようやく俺は声を発する事ができた。しかし、それ以上はどう続ければいいのかも分からなかった。
「日本からのこのこやって来た猿が一匹、BIG Gを探しておる…。そんな事は、とうに奴らの情報網に広がっておるぞ。すでに奴らも動きだしておる。お主、今夜日付が変わる頃にはフレイザーリバーの底じゃろうな。」

横で様子を伺っていた恵子が、突然割って入って来た。
「あなた…、あなたもしかして、Mr.スズキさんじゃないですか!?あの高名な…。」  
Res.50 by 無回答 from 無回答 2006/12/04 15:12:40

と言い終わらないうちに、俺の『V』の傷が、
いきなり発光し始めた。  
Res.51 by 無回答 from バンクーバー 2006/12/04 16:22:51

「な、なんだこれは!?う、、いてー」
「お主らはこの今のカナダの自然環境をどう思っておる。」Mr.スズキは言った。
その途端、バンクーバーのVのサインからあばら骨のようなモノが飛び出してきた。  
Res.52 by トン from トロント 2006/12/04 16:44:50

抜き取られた肋骨が人の形を成していく、、、
”−アダムー”消え入るような言葉を残し老人は去った。
「アダム、、??なんだってんだ一体、、旧約聖書、たしかイヴはアダムの肋骨から、、」霞みゆく意識の中で私は何かを見たような気がした。  
Res.53 by 無回答 from バンクーバー 2006/12/04 19:10:16

なんでこんなことを思い出すんだ。。  
Res.54 by ババンバ from バンクーバー 2006/12/04 19:17:26

ハッ!!…と目が覚めると、俺は飛行機のシートに座っていた。額にはびっしりと汗をかいている。状況が飲み込めず、あたりをキョロキョロと見回した。俺は今まで確かに…。

そんな俺の姿に気付いたスチュワーデスが、「お客様、ご気分はよろしいですか?お水をどうぞ。」と、声をかけて来た。俺は放心状態だったが、「大丈夫です…ありがとうございます…。あの…この飛行機は…?」と何とか口にした。するとスチュワーデスは、「あと20分ほどでバンクーバーに到着しますよ。シートベルトをお止めください。」と、美しい笑顔を残して業務に戻って行った…。  
Res.55 by 無回答 from トロント 2006/12/04 21:14:56

飛行機の中では終焉した映画のエンディングロールが流れていた。オスカーピータソントリオが演奏するSomething’s Comingが、疲れきっていた脳に適度な安心感をくれた。
「、、ああ、そうだった、ウエストサイド物語を観ていたんだっけ。」
”バンクーバーか、、それにしてもさっきの夢はなんだったんだ、、”
機内アナウンスが流れ、機体が徐々に下降していく。柔らかな重力を感じながら私はもう一度眼をつむった。  
Res.56 by 無回答 from トロント 2006/12/04 22:05:40

、、いい匂いだ。どこだろうここは。これは夢なのか?それとも、、
夢と現実の区別がつかない。(そして記憶の世界へ〜)  
Res.57 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/05 04:21:39

視界がぼやけている。霧のような世界に俺はいる。まったく先の見通しがきかない。俺は前に歩き続けた。

しばらくすると、何かが聞こえる。

「誰だ、誰かいるのか?」

返答はない。俺の今日は一体なんなんだ。俺は自分自身に対するもどかしさを責めた。そして俺は気が狂ったかのように叫んだ。

「うぉぉぉ、俺を元の世界にもどしてくれえええ」

やがて、頭の中に声が聞こえた。耳の鼓膜の振動ではない。直接頭に声が入ってくる。

「今までの出来事は決して夢ではない。おまえは運命に選ばれた者。約束を果たすのだ。約束を果たしたとき、お前に隠された力の秘密をしることだろう」

遠くのほうから閃光が放たれた。そして、閃光は次々と増え、あたりが光で包まれた。そして、俺の意識はとぎれた。

俺は今ガスタウンにいる。戻ってきたのだ。まわりにMr.スズキと恵子がいる。俺はめまぐるしく状況についていけていない。俺の表情を読みきったかのように、Mr.スズキは言った。

「どうやら、声を聞いたようじゃな。BIG Gはバビロンの塔という店にいる。お主はBIG Gと戦う運命にある。さあ、行け」
「あんたは何者なんだ」
「わしか?わしは約束を声の主の使者じゃ」
「声の主は一体何者なんだ」
「いずれ、知るときがくる、さあ、もう行け」

俺は釈然としなかったが、恵子と一緒にバビロンの塔へ向かった。そしてバビロンの塔の扉を開けて中に入った。この店はバーだったが、今は営業していない。そして中を見渡すと・・・  
Res.58 by 無回答 from トロント 2006/12/05 17:43:25

ひとりの人物が座っていた。黒のパーカーを着込み後ろを向けて座っていた。Big G、、直感した。もう怯えはしない、それどころか不思議なほど穏やかな心がいくばか自分を不安にさえさせた。
「、、ここまできて何もお前に投げかける言葉が無いとはな。こっちを向いたらどうだ。Big G。」
言い放った途端、抑えきれないほどの高揚感が私を包んだ。
「おい!こっちを向け!!」
何も反応の無い奴を見、今まで起こった信じられない事象が怒りとなって現れた。
「Big G!!」

「、、、」
「、、、、、、」

「、、、ア イ タ カ ッ タ ヨ」
俺は耳を疑った。

「、、、みき、、美紀、、うそだろ、、何だよその体、、、」

俺は泣くことしかできなかった。  
Res.59 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/06 06:24:31

しかし、泣いているわけにもいかない自分に気づいた。

美紀の体は透き通って、奥にあるテーブルをかすかに映していた。
まるで、半分この世に存在するかのように、その姿は弱く、それでいてこの世に未練があるかのようだった。

「Big G、おまえ美紀に何をした?」

Big Gは答えた。

「おまえにはわかるまい、これは天から意思であり、抗うことのできない運命なのだ。」
「何をわけのわからないことを・・・」
「ふん、そもそも8年前なぜおまえを襲い美紀を奪ったのか教えてやろう」
「な、なに・・・」

俺はすぐにでもBig Gに、磨き上げられたナイフを突き刺してやろうと考えていたが、おれはその言葉を聞いて躊躇した。そういえば何故やつは俺と戦い、美紀をうばったのだ・・・

俺に考える間を与えることなく、Big Gは言った。

「美紀は今生きるべきではない、未来の住人なんだよ」
「えっ、どういうことだ」
「美紀は未来から今の世界にやってきたんだ。そして俺はそのことをある人から知り、連れ戻すように頼まれたのだ。」
「何をばかな・・」
「ふっ、信じられないのも当然だろうが・・。そもそも今のこの時間すら現在と未来の中間の世界なんだ。本来存在しない時間なんだよ。今の時間のおまえはバンクーバー行きの飛行機に乗っている。それで理解できるだろ」

俺はそれを聞いて呆然と立ち尽くすだけだった。これで今までの出来事に納得がいく。しかし俺はどうすればいい。未来の住人の美紀を奪い返して、今の世界に連れ戻すのが本当に正しいことなのか・・・

俺は決して解のないことものを頭の中で悩みぬいた。そして俺は決断した。少なくともBig Gを倒すことだけは不変の定理であることを・・・

俺はポケットからナイフを手に取った。  
Res.60 by 無回答 from バンクーバー 2006/12/06 11:18:30

俺はナイフにふと目を向けた。
8年間この時のために磨き続けた俺の相棒。
準備は完璧のはずだった。
だが、俺は自分の目を疑った。
なんということだ、ナイフの刃が・・・  
Res.61 by 無回答 from 無回答 2006/12/06 20:35:06

こんな形に・・・  
Res.62 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/07 05:16:28

俺は愕然とした。ナイフの先端が欠けている。これでは相手に致命傷を負わすことが可能かどうかはわからない。

俺のナイフの姿態を見てBig Gは嘲り笑った。

「そんなナイフで俺を倒そうとはな。はははは」

しかし、ここで引き下がるわけに行かない。俺はBig Gの嘲笑に挑発され、冷静さを失い、怒りだけがこみ上げてくる。俺はナイフを右手に持ち、そして左手で前に押せ突けるられるように、ナイフを持った右手をつかんだ。そして、Big Gに突進していった。

「Big Gよ、おまえの死ぬときだ」  
Res.63 by ババンバ from バンクーバー 2006/12/08 02:46:18

全てがスローモーションのようだった。

一歩、また一歩とBIG Gに突き進むその時間は、まるで今までの8年のように長く、そして遠い距離に感じた。待ち続けたその瞬間は目の前まで来ている。ナイフを握りしめた右手を振り上げ、いよいよBIG Gまで後一歩の距離まで来た。わずかに体をこちらに向け、パーカーのフードで影になっていたその男の顔がうっすらと見えた時、またしても俺は自分の目を疑った。

(ミ…ミヤケンさん…!!!???)

すでに時遅く、右手は男の脳天めがけて振り下ろされた。
先が欠けたナイフは、それでもパーカー越しに男の頭蓋骨を砕き、深々と突き刺さった。

スローモーションだった時間の流れは、その瞬間から正常になった。
店の中は、ただ静けさが響いていた。  
Res.64 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/08 06:03:10

倒れたもう一人のミヤケンが何か呻いている。何かを伝えようとしている。まだ少し意識があるようだ。俺はもう一人のミヤケンの口のそばに耳を寄せた。

「ミ、ミヤケン、お、おれ、す、ま、な、か、った。」

えっ、どういうことだ。なぜ謝るのだ。俺はミヤケンの両肩を両腕でつかみ必死になって体をゆする。しかしミヤケンはぴくりとも動かない。

「どういうことなんだ?おしえてくれ。」

俺は絶句した。何度も何度もを問いかけた。しかし店の中は時間がとまったかのように俺の叫び声だけがこだまする。

「ミヤケンさんは本当は悪くないのよ」

店の奥から悲哀の声色でささやく声が聞こえた。純子だった。

「ミヤケンさんは、Big Gの催眠術にかかって、あなたを倒そうとしたのよ。でも、頭の中では自分自身と必死に戦ってた・・・」

俺はその言葉をただ聞いていただけだった。  
Res.65 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/08 17:41:26

純子は話を続けた。涙を流してすすり泣いている。

「私はあなたを眠らせて外に出さないようにしている間に、催眠術を解こうと考えていたの。でもBig Gがそれに気づいて、すべてこうなるように仕組んだのよ」

俺は拳を握りしめた。体が震えだした。
俺は、はっとなった。そういえば美紀はどこだ。俺は周りを見渡した。美紀はほとんど見えなくなっている。わずかに人の形をした霧ののような姿がみえるだけだ。

「ご、ごめんね、もう、これ、以上、この、世界、に、い、ら、れ、な、い」

最後の言葉とともに美紀の姿は消えた。

俺は悲しみをとおりこして、喪失感という、いや言葉で表現できない重い何かで押しつぶされそうだった。そして俺は慟哭した。  
Res.66 by 無回答 from 無回答 2006/12/09 01:03:19

憔悴しきった俺は、ガスタウンをあても無く彷徨い続けた。
どこをどう歩いたのか何も覚えていない。
ふと気づくと、チャイナタウンまで来てしまっていた。

辺りを見回していると、誰かが俺の肩をトントンと叩き、
こう言った。

 
Res.67 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/09 17:17:14

「Big Gはおらんかったようじゃな。」

聞き覚えのある声は、Mr.スズキだった。俺は何も返答せず、そのまま歩き続けた。Mr.スズキは追いかけて来ない。

「いつまで、しょげておるつもりじゃ。この世界にいられる時間もあとわずかというのに」

俺は踵を返して言った。

「俺にどうしろって言うんだよ」
「お前にはやらなければならないことがあるじゃろ」
「もう、どうでもいいなだよ」

突然、横から頬を平手打ちされた。痛みがジーンとしてやってくる。

「いつまでも、悲劇のヒーロー気取ってんじゃないわよ」

それは恵子だった。そのときだった。再び胸のVの字が熱くなる。そしてそのVの中から、突起してくる。どんどん突きあがってくる。なんだ、これは?

あたりは霞んでいる。そして、その突起物はすでに人の何倍もの大きさになっている。そして、胸のVから出てきたものに俺自身が飲み込まれていく。俺はその中に入った。まるでボートのようだ。

「ようこそ、ノアの箱舟へ」

突然後ろから声が聞こえた。俺は振り返った。そこには俺とおなじくらいの背の男がいる。いや、背丈が同じどころではない、顔付きまでよく似ている。そして、その声に聞き覚えがあった。そうだ思い出した。

「あんた、もしや、声の主じゃ・・・」
「そうです」
「教えてくれ、一体何が起きている」
「あなたは今と未来の中間の世界がいます。そして美紀やBig Gは未来の世界の住人なんです」
「でも、なんだってこんな神がかったことが起こるんだ」
「そうですね。まずこれは神が起こしたのではありません。あなたが起こしたんですよ」
「えっ?」
「あなたには元々、みんなからの愛を奇跡に変える力があるのです。胸にVの字に切り刻まれたとき、あなたはその力に目覚めた」
「そんな話信じられるか」

俺はそういいつつ、すでに信じようとしていた。いままで起こったことを考えれば、まんざら嘘でもなさそうだ。

「俺はこれからどうすればいい」
「それはあなたが決めることです、まあ私に言えることは、このノアの箱舟は未来に行くことができます。」
「行くって言ったって、未来だぞ。どうやって」
「あなたにはその力があります。邪念をなくして信じるのです」

俺はとまどった。信じれば未来に行けるなんて・・・

「そういえば、あんたは誰なんだ?」
「私ですか?私はあなたの弟千太郎です」
「な、何?」
「私は今、イスラム教のモスクで修行僧として神に仕えています。一度たりとも兄であるあなたのことを忘れたことはありません。私のもつ兄弟愛があなたに奇跡を起こさせたのです。しかし、そろそろ元の世界に戻らなければなりません。もうお別れです。恐らく会うことは二度とないでしょう。さようなら・・・・・・兄さん」

そう言って千太郎は消えた。  
Res.68 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/10 05:43:27

俺は千太郎の言葉を信じ、未来に行くために目をつむり無心で念じた。ノアの箱舟が動き出した。轟音が聞こえる。肌に冷たい風が吹きつける。俺は目をつむっていて見えないが、時空の中を突き進んでいるのを感じ取れる。

俺はこの時空の流れに身をまかせいた。そして意識がだんだんと薄れていく。

長い時間が経った。何か波の音が聞こえる。俺は目が覚めた。ここは浜辺だ。まだ意識が朦朧としていたが、すぐに行動に起こした。

丁度、女の子が道を歩いていた。どうも日本人のようだ。俺はすぐにそこに向かった。白いTシャツにグレーのショートパンツ、そこから細くきれいな足が伸びている。二重まぶたで肌につやがあり、口元にはシルキーベージュの口紅が光沢をあたえ、顔の美しさを一層際立たせている。完璧な美人とはこういう人を言うのだろう。

俺は見とれる暇もなく、場所と日時を聞いた。彼女は変人を見るかのように、不安と嫌忌の念を持った表情で答え、足早に去っていった。

ここはスタンレーパークの浜辺、時は2010年2月11日、バンクーバー冬季オリンピックの前日である。  
Res.69 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/11 05:47:49

俺はとりあえずロブソン通りへと向かった。ロブソン通りにはたくさんの若者がいる。ロブソン通りにいるだけで時代を先取りする幻想に浸れるのだろう。ここはお洒落なカフェやレストランの宝庫である。  
Res.70 by 無回答 from バンクーバー 2006/12/14 22:55:38

雪が降っていた。いつもだったら若者であふれかえっているカフェも
今はひっそりしていた。路地を曲がったところの一軒のカフェに入って周りを見た。一人の老人と目があった、そしてその老人の目は  
Res.71 by aiueo from バンクーバー 2006/12/15 10:47:25

マンボウのようなつぶらな瞳をしていた。  
Res.72 by 無回答 from 無回答 2006/12/15 10:56:39

そして老人は待ち合わせていたらしい友人の声に振り返った。
「マンボウ!こっちだ!」

名前もマンボウだったのだ。  
Res.73 by 無回答 from トロント 2006/12/16 00:23:35

そしてマンボウは去った。




全裸で。  
Res.74 by ババンバ from バンクーバー 2006/12/16 02:32:25

そんなシュールな光景を目にし、頭の中で何かが切れる音がした。


俺は… 

俺はこんなところで、一体なにをしているんだ…。



その瞬間、全ての事がどうでもよくなってしまった。
8年前の約束の事も、
BIG Gの事も、
そして、美紀の事も…。


今では、美紀の名前が思い出せるだけでも不思議な気分だ。
もう8年も前に失った女じゃないか。
復習の誓いだったナイフも、脆くも欠けてしまい、
事もあろうかミヤケンさんを殺めてしまうという失態を犯し、
今ではもう手元にすら無い…。


どうでもいい。

もう、どうでもいいじゃないか。

全てを忘れて、無かった事にしよう。




俺は、日本に帰る。  
Res.75 by 無回答 from 無回答 2006/12/16 03:00:45

「帰らない。」「帰る、帰らない....」
優柔不断な俺は、花占いで決めることにした。
一枚一枚もぎ取っていく。
俺の未来を、神にあずけよう。
「帰る、帰らない、帰る....」

最後の1枚「!」  
Res.76 by 無回答 from バンクーバー 2006/12/16 19:01:48

「帰・・・・」
最後の一枚をもぎ取ろうとした瞬間、
後ろから女の子の声がした。

「お花をそんなことに使っちゃ駄目だよ。」

その声は・・・  
Res.77 by 無回答 from トロント 2006/12/16 19:21:14

、、もういいんだ、、もう。何も聞こえないし何も目にしたくないんだ。この8年間だってきっと、、ああぁ、
「誰か全てを終わらせてくれ!約束って一体なんなんだ!」
「俺が約束を果たす!?約束した覚えがない!助けてくれ!」

そして俺は一度も後ろを振り返ることなくその場から無我夢中で駆け去った。


裸体で。  
Res.78 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/17 07:13:07

俺は、愚弄な空想を目が覚め、声の主を確かめようとした。そこに5歳くらいの少女が誰にでも心を許すかのような表情で立っている。

俺はその顔の面影に見覚えがあった。誰かと似ている。まさか、いや、間違い。俺は確信した。それは美紀だった。この少女は美紀の幼女時代か。俺は幼女に向かって名前を尋ねた。

「おじょうちゃん、名前はなんて言うの?」
「美紀だよ」  
Res.79 by 無回答 from バンクーバー 2006/12/17 16:39:04

目の前が開けた。
「、、おぉ、なんだったんだ今のは、、」
時計を見ると空港に到着してから40分が経過していた。まだまだ目の前には入国審査を待つ長蛇の列ができていた。どうやら失神していたようだ。こんな経験は初めてだった。時計はもう正午になる、どんどんと係りの人もいなくなる。ここで一体なにが起きているんだ。
私はこれから始まる新生活に立ち向かう。自分に課した約束を果たすため。  
Res.80 by 無回答 from トロント 2006/12/17 18:14:16

”約束”それは、、  
Res.81 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/18 06:04:05

Big Gを倒すこと。はっ、本当にそれでいいのか?

俺は懊悩としていた。このまま外に出ればミヤケンさんに会う。まずはそれを避けなくては・・・

俺は、空港の外に出るやいなや、ダウンタウン行きの空港バスにすばやくのった。とりあえずダウンタウンまで行くか・・・  
Res.82 by 作創太郎 from バンクーバー 2006/12/19 02:33:42

そう『バンクーバーでAV男優になる!』

という約束を果たしに


 
Res.83 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/19 03:12:21

来たわけではない。

そもそも、名前が作創太郎になっているが、本物の作創太郎ではない、と俺は思っていた。一体何者だ?といちいち調べている暇はない。

そしてバスはダウンタウンに到着した。  
Res.84 by 無回答 from 無回答 2006/12/19 22:43:47

よしとりあえずHastingで葉っぱと女を買おう、
そう思って俺ははやる股間を押さえながらバスに飛び乗った・・  
Res.85 by 無回答 from トロント 2006/12/21 01:22:10

買った葉っぱは下着にしよう。などと色々と思いを馳せながらネコバスに揺られること幾千年、ようやく着いた所は三鷹の森でした。  
Res.86 by 無回答 from トロント 2006/12/21 02:00:19

ネコバスから降りようと右足を地面に着けた瞬間、降りたと思われたのか凄まじい速さで動き出してしまったネコバス。足を絡めとられ空中にギュルギュル舞う私。瞬間、虚ろな私の目下に広がる光景は何やら美術館のような素敵な庭園でした。地面に叩きつけられ後は、泡を吹き散らし失神するしかなかった。
・・・「、、ん、、んぅ、、」・・・
視界が霞んでいた、随分と長い間意識が飛んでいたのだろう。
「ネコバスか、、とんでもないやつだな。」
目覚めた私の目が捉えたのは広い庭園の奥に見える朽ちた建造物だった。
「、、ああ、これがあの一瞬、目に映った建物か、、やっぱり美術館のようだな。」
とその時、なにやら美しいメロディーが聞こえて来た。
”いきていくぅ不思議ぃ〜しんでいくぅ不思議ぃ〜”
 
Res.87 by 無回答 from トロント 2006/12/21 02:16:19

音が聴こえる方へと耳を傾けていると、、
”ツッタカターツッタカターツッタカター、、、”
カタカタと動く四足歩行の人間の群れがこちらへと行進してきた。
”ツッタカターツッタカターツッタカター、、、”
「、、なんん、、だ、、あれ、、おい、、怖ぇぇぇ!!!」
私は逃げた。その途端彼らは一斉に立ち上がり追いかけてきた。そして私はもっともっと逃げた。
・・・どのくらい走ったか分からないが気づけば暗い森の中に迷い込んでいた。  
Res.88 by 無回答 from バンクーバー 2006/12/21 16:42:20

森に散らばっていたのは食い散らかされた人間の残骸であった。血の混じった脂肪片が付着しているため、あたりは凄まじい生臭さを発していた。

”生きていくぅふしぎぃ〜死んでいくぅふしぎぃ〜”
どこからともなく聴こえてくる単調なリズム、、

「誰かいねーのか、俺一人なのか、、」
誰とでもいいからこの恐怖を共有したい、、そして私は身を隠しながら森を進んでいった。  
Res.89 by 作創太郎 from 無回答 2006/12/27 05:20:36

だんだんと歌声がおおきくなる。

どうやら発信元に近づきつつあるようだ。そして、俺は人影を見つけたとき、死角になる位置にある木に隠れた。

俺は人影を見た。暗いので顔はまったく見えない。俺は徐々に木陰に隠れるようにして移動した。  
Res.90 by 無回答 from 無回答 2006/12/30 20:03:43

その人影が俺を通り過ぎる時、俺は木の陰からこっそり目をこらしてそいつを見た・・そして・・

「お、おまえは・・まさか、メソ・・・ごほっ、ごほっ、ごふん!」

俺は慌てて声を押し殺して木陰に身を隠した・・。  
Res.91 by 作創太郎 from 無回答 2007/01/22 04:45:24

突然、後ろに殺気を感じる。

俺はすぐに振り返るのは危険と察知。横に飛んで草むらのなかに入った。そして殺気のあった場所を見上げる。そこには、あのBIG Gが地上を支配したかのように猛り立っていた。

やつの体は狂気のオーラが纏っているかのようだ。
俺は最後の戦いを決意した。  
Res.92 by 作創太郎 from 無回答 2007/01/23 05:08:37

突然、激しい突風が吹き、うなりをあげている。まるで断末魔の咆哮のようだ。

俺は、ポケットからナイフをゆっくりとだす。鋭い刃先が突然欠けてたその姿は、俺の復讐の足跡を刻んでいるようだ。

俺は、BIG Gに向かってに突進した。このナイフに体のそこからこみあげる怒りをすべて込めた。  
Res.93 by 作創太郎 from 無回答 2007/02/01 03:40:49

あたりはすっかり暗くなっている。月明かりだけが頼りだ。肌につきささるように冷気を感じる。

BIG Gはその場から動かない。不敵な笑みを浮かべながら、俺の突進に動じない。俺はやつの妙な自信にさらに怒りがこみ上げてくる。

俺は、右左とステップを踏んで、ナイフをやつになげた。やつとの距離は約3メーターほど。やつは突然ナイフを投げつけられるのを想定していなかったのか、重心をくずしたまま横に移動してナイフをかわした。

俺は右手を後ろにやり、ズボンの後ろポケットからもうひとつのナイフを取り出した。このナイフは伸縮自在のナイフだ。ナイフの柄を手に取り、腕を大きく振り伸ばし、ナイフの刃を突き伸ばした。

先ほど投げつけたナイフより、1.5倍の長さをもつ。やつのとの距離は1メーター。重心のくずしたすきに一気にやつの胸に向けて刃を向ける。  
Res.94 by 作創太郎 from 無回答 2007/02/04 04:54:52

その時だった。突然右のこめかみに衝撃が走る。俺は一瞬躊躇し、それは事態を飲み込めないとまどいの中で、体ごと横に吹っ飛んだ。俺は気づくと地面の土が目の前にある。俺はやっと状況を把握した。奴の蹴りが死角から入ったようだ。

俺は奴の攻撃が来る前にすぐさま立ち上がった。その瞬間、鈍い音とともに腹部に激痛がこみ上げてくる。すぐに顔、足、腕にパンチや蹴りがくる。俺は反撃の態勢を整える暇もなく、やつの攻撃を受け、そして最後の蹴りによって後方へと吹き飛ばされた。

つ、強い・・・  
Res.95 by 無回答 from 無回答 2007/02/15 10:53:44

てか、、、よ、弱い…俺が弱すぎる…  
Res.96 by 作創太郎 from 無回答 2007/02/18 03:54:55

(ばかな、こんなにも実力さがあるなんて…)

俺は自分自身の力のなさに幻滅していた。俺は過去を振り返る。あの地獄の特訓はなんだったんだ。俺は奴を倒すためだけに今までの人生を費やしてきた。それなのに、なんて無様な俺なんだ。

俺は俯き加減で両手の拳を握り締めながら、頬に伝う滴が地面を濡らし、そして何もなかったかのように滲みこんでいくのを眺めていた。

俺はここまできた道のりで経験した記憶を回顧した。憎しみと復讐のために生きてきた昔の出来事は、この一瞬、無意味な些事に変わった。

BIG Gが突進してきた。俺は防御の構えをする気力もない。奴の拳が何十となく、俺の腹や顔に入り、その内の何発かは俺を吹き飛ばした。

俺は奴のサンドバックと化していた。奴の蔑視と薄笑った顔が俺の目に入るが、俺にはもう立ち向かっていく怒りが沸いてこない。
 
Res.97 by 無回答 from バンクーバー 2007/02/21 12:59:45

だけど俺は、約束を果たす!!!全裸で。

 
Res.98 by Z from 無回答 2007/03/02 15:03:42

俺はいったい何をしているんだ。サンドバック化した体を動かせるはずもない。約束・・あまりにも無謀な約束だ。何のためにここまでやってきたんだ。自分自身の弱さに情けなくなり、涙が溢れ出てきた・・。  
Res.99 by 無回答 from 無回答 2007/03/02 15:25:52

’Are you Okay?’
かすかに女性のやさしい声が聞こえる・・
’Are you Okay?’
’誰だ?’
’I’m Sujata. ’
’スジャータ?’
’Yes. I can help you..’
’ここはどこだ?俺は生きているのか、死んでいるのか? ’  
Res.100 by 無回答 from バンクーバー 2007/03/02 15:40:13

そして自分の置かれている環境も分からないまま、100ゲット!!  
Res.101 by 無回答 from バンクーバー 2007/03/03 16:50:24

そこへゲジが現れた!!  
Res.102 by 無回答 from バンクーバー 2007/03/03 16:51:05

さらにカッチンもやってきた!  
Res.103 by 無回答 from 無回答 2007/03/03 17:49:09

スジャータと名乗る女性は、何かをおいてどこかへいってしまったようだ。俺の周りに何人か集まっているようだが、目もうつろで頭もまだはっきりしない。重い身体も動かせないままだ。ちくしょう。俺は何をしているんだ?そして、ここはいったいどこなんだ?  
Res.104 by 無回答 from 無回答 2007/03/03 23:34:20

目が覚めた。太陽の光がまぶしい。ベッドのぬくもり・・。ベッド?俺はベッドにいるのか?すべて俺の夢だったのか。何度も何度も夢の中で繰り返される戦い・・。戦いに勝つことが目的か。わからない。とにかく夢で見た覚えている名前だけでも書いておこう。俺は、机の上に無造作におかれたペンとメモ帳に記憶の一部を書き出すことにした。バンクーバ、タクシードライバー、もう一人のミヤケン、Big G、戦い、ナイフ、美紀、純子、スジャータ、カッチン、全裸・・  
Res.105 by 無回答 from 無回答 2007/03/05 15:04:06

それらは全部もう一人の俺・・・  
Res.106 by 作創太郎 from 無回答 2007/03/28 07:27:55

俺は汗でべたべたになった体を洗い落とそうと、シャワーを浴びることにした。

俺はシャワーを浴びながらが考えた。今までのことは本当に夢だったのか?俺は自分の胸を見た。あのVの傷跡がない。やはり夢だったのか・・・

俺はぬれた頭をタオルで拭いながら、テレビのスイッチを入れた。
 
Res.107 by まい from バンクーバー 2007/03/28 09:18:22

世界中で人気の「クイズミリオネア」をやっていた。

まぶたをこすってよーーーく見てみると

司会は「みのもんた」じゃないか???

ん?ここはどこなんだ???  
Res.108 by 無回答 from バンクーバー 2007/04/06 00:14:13

ふっふっふ・・・教えてやろう・・・ここはそう・・・  
Res.109 by 作創太郎 from 無回答 2007/04/06 08:11:31

と、誰かから答えを聞くまでもない。

そうか、ここは日本か…

俺は日本にいることに少し安堵を覚え、外の空気が吸いたくなった。俺は街路樹から漏れる日差しが道を照らしている。俺は空を見上げ、今までのことを回顧した。

今までのは夢なのか…

俺はそよ風に吹かれながら舞い降りてくる落ち葉を眺めていた。何事もない現実が俺に平和という言葉の意味を教えてくれる。俺は落ち葉が地面に着くまで、ずっと見ていた。ちょうどその落下地点のすぐ横にたんぽぽが咲いていた。

たんぽぽか…

突然、俺の肩に誰かの肩が当たった。俺は落ち葉に気をとられて、周りの気をつかっていなかったようだ。

「すいません」

との声が聞こえた。ぼーとしている俺も悪いので、俺も謝ろうと言葉を発するまさにその直前に一瞬、時の流れが止まってしまった。

そう、そこに立っているのは…

第一部 完
 
Res.110 by 作創太郎 from 無回答 2007/04/06 08:12:47

第二部

5時限目の授業がチャイムと共に終わった。まだ最後の授業が残っている。私の席は窓際で外の様子を見ることできる。そこから見えるのは正門までの道とその両端に整備された芝生の園がある。私はその芝生を眺めていた。

「ねえ、6時間目の授業ぶっちしない」

そう話かけてきたのは、親友の京子だ。

「オリンピック見ようよ」
「わー、いいアイデアね」
「じゃあ、今から帰るわよ」
「OK」

オリンピックは私の家で見ることにした。この時間帯は家には誰にもいないからだ。

私はテレビをつけた。ちょうどジャンプの競技だ。

「いいな、オリンピックの選手になりたい」
「京子はオリンピックに出たいんじゃなくて、バンクーバーに行きたいんでしょ、しかもタダで」
「ばれたか…」
「私もいつかバンクーバー行きたい」

私たちはテレビを見ながら、オリンピックのことを考えず、ただ私たちがバンクーバーでの生活を自分勝手に想像していた。

「ねえ、今度の夏休みうちの学校で語学研修があるじゃない?それに申し込まない?」
「そうねえ。そうしよっか」

私たちは単純細胞の頭で即決してしまった。若さの勢いを大切にしないとね。

「じゃあ、私帰って英語の勉強する」
「え〜、気が早いよ」
「何事も善は急げって言うでしょ」
「もう、わかったわよ」

京子は急ぎ足で玄関まで行き、靴を履いた。彼女は玄関まで言っていつものように別れの挨拶を言った。

「じゃあね、美紀」

 
Res.111 by 無回答 from 無回答 2007/04/06 20:01:33

美紀と京子は、都内にある私立女子高に進学した。高校1年の時に語学留学できるのが魅力で、英語に力を入れている進学校だ。美紀の夢は、国連で働くこと。京子は、フライトアテンダント。お互い夢を持っていて、それを叶えたいと思っている。今回の語学研修は、その夢を叶える第一歩。  
Res.112 by 作創太郎 from 無回答 2007/04/08 07:38:34

半年後の月日が流れた。今、様々な言語が飛び交う長い列が私の前に並んでいる。言葉の意味はわかないが、皆この待っている時間を使って、不安と期待を抱き寄せているのだろう。そして、30分経って、私のパスポートにスタンプが押された。私はいよいよバンクーバーに着いたのだった。

添乗員の人が、私達語学研修の参加者を誘導する。私はスーツケースを手に取り、出口へと向かった。出口には私達参加者のためだけに用意されたバスが待っていた。私達はそれに乗り込んだ。いよいよ異国の生活が始まる。  
Res.113 by 無回答 from 無回答 2007/04/09 07:13:42

あれ?ドームに行くのではないのか?
このボロいアパートはなんだ?まさかここが?・・・  
Res.114 by 作創太郎 from 無回答 2007/04/11 05:42:17

ということが、ないように祈っていた。

私達はダウンタウンで各ホームステイのホストとご対面となる。

(私のホストはどんな人だろ…)

ダウンタウンに着いた。添乗員の人が名前を呼び上げ、ホストに紹介される。ホストの人はほとんど車で来ており、次々と車に乗りこみ走り去っていった。そして、私の名前が呼ばれた。

私のホストは日系カナダ人の男性だった。見た目は日本人そのままだった。しかし日本語は話せないらしい。私は英語で挨拶した。

「Nice to meet you. My name is MIKI」

その言葉は、たどたどしく、どこか弱弱しい自信のない表れであった。ホストの人は笑顔で挨拶を返してくれ、手を握りあった。彼の名前はジョン・蒲生という名前だった。

「Call me John, OK?」

私はちゃんと聞き取れたのかな、という自分自身の再確認をしてからイエスと答えた。  
Res.115 by 作創太郎 from 無回答 2007/04/12 07:19:21

私はジョンの車に乗り込んだ。車は日本製だ。彼は低燃費の日本車が好きらしい。私はカナダにいながらも、日本に触れ合うことができてうれしかった。

(やっぱり、私は日本人だな…)

改まって自分が日本人であることに誇りに思った。

車は2階立てのレンガ造りの家の門の前に止まった。ここが1ヶ月間すむことになる私の家。私の心はとても浮ついた気持ちでいっぱいになった。

(よーし、私のサクセスストーリーは今日から始まるのだ)

ドアから降りて、家に見とれていた私はスーツケースを車から降ろすのも忘れ、明日の自分を思い描くのだった。  
Res.116 by 無回答 from 無回答 2007/04/14 18:34:03

John’s wife, YOKO was waiting for us in a front of a beautiful old house. Yoko was thin and black long,chatting with the neighbour and smiling at us nicely.

"Miki,welcome! Kon nichi wa. This is your home!"

Everyone seemed be happy.

They had a small son who called Sean and in their opinion there was artistic and mystic boy.

This tiny boy was running to me.  
Res.117 by 作創太郎 from 無回答 2007/04/18 06:39:24

私を待っていたホストファミリーに迎えられ、私の顔は喜色を浮かべた。私はこの新しい我が家の玄関口の中へ、新しい生活臭の漂う空気の中へと入った。

玄関口の左隣にある棚の上には菊人形が置いてあった。その人形の眼差しは、私を期待の渦に水を差すような冷たく悲しい視線だった。  
Res.118 by 作創太郎 from 無回答 2007/04/19 06:58:32

翌日、初めての授業が終わった。私は違うクラスになった京子と今日の感想会を開いた。

「京子、授業どうだった?」
「何言ってるんだか、全然わからなかったよ」
「私もこんなんで英語話せるようになるのかな」

私達は少し嘆息しながらも、うわづいた声で楽観的に話し合った。  
Res.119 by 作創太郎 from 無回答 2007/05/08 07:24:03

私は、一旦帰宅してから英語の勉強を一緒にする約束をして、家路を急いだ。足早に息をきらせながら、家の玄関にたどりついた。玄関のノブを握ろうした瞬間、戸が少し開いていることに気づき、そこから話声が漏れてきた。

「そろそろだな」
「ああ、やっとこの菊人形のお出ましだぜ」
「しかし、未だに信じられないなあ。この人形が魔法で過去にいけるなんてな」
「まあな、この人形を作ったやつはロシア生まれの菊人形職人だが、それは仮の姿。本当は古代神々の力を操る魔術師だったんだからな。しかし過去に行くには奴の血を引く者がいるがな。まあそれが、あの美紀っていうお嬢ちゃんってわけか」
「奴の魔法で俺の体は廃人同様になっちまった。だから俺は過去に行って奴を倒す」
「しかし大丈夫なのか、過去を変えると未来に影響をおよぼしてしまうぞ」
「まあ、倒すと言っても奴の胸にVの字を刻んでやるだけさ。そうすれば奴は魔法を使えない」

私は驚愕した。ホストのジョンがまず日本語を話している。そして菊人形の魔法で過去に行けるって…奴の血を引くものって私なの?奴って誰?

私の頭の理解をはるかに超えていた。

私は戸を開けなかった。京子との約束も忘れてしまい、近くの公園のベンチで一人呆然としていた。日が暮れていた。もう何時間いただろう。ジョンがなぜ日本語を?菊人形の魔法で過去にいくなんて。それに奴って誰?その人を助けなくてもいいの?私の血とつながっている人…

私は少し頭を整理して、家に再び帰った。戸は完全に閉まっている。そして戸を開けるとジョンが英語であいさつをしてくれた。

「How are you doing?」

私はありきたりの返事をした。菊人形に一瞥してから、自分の部屋に戻った。部屋には私宛の手紙が数通入っていた。日本からの友達からだ。私封筒を一枚一枚見ていた。1枚だけ私宛ではない宛名があった。おそらくジョンが持ってきてくれたのだろうが、一枚だけジョン宛の封筒がまぎれていたようだ。その宛名にはこう書かれたあった。

John Gamo -Big G-  
Res.120 by 作創太郎 from 無回答 2007/05/12 06:43:43

窓から月明かりが射し込んでくる。壁にかけられた時計の針が午後0時を指していた。私はずっとジョンの言葉を思い返していた。そして私の血とつながっている人のこと…

(私はその人のことを知らない。でもこれだけは言える。その人を助けることができるのは私だけ…)  
Res.121 by 無回答 from 無回答 2007/05/12 06:49:07

ピピピピピピピピピピピピピピ

目が覚めたら日本の実家にいた。

「俺。カナダにいたはずじゃ・・・。あれは全部夢だったのか?」

「なーに寝ぼけてんの早く起きなさい!学校よ!」

母親に布団をはがされた。

支度をして自転車で学校へ行く途中、サトシの後ろ姿が見えて声をかけた。
 
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