カナダでBSE感染牛確認、米が牛の輸入中止
【シカゴ=山下真一】カナダ農務省は20日、同国アルバータ州でBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)に感染した牛1頭が見つかったと発表した。米政府は直ちにカナダからの牛や牛肉製品の輸入を禁止した。
問題の牛は同国有数の牧草地帯アルバータ州西部で肥育した8歳の牛で、今年1月末に解体された。当初は肺炎の疑いで検査したが、その後BSE陽性と判明した。カナダ農務省は「食品として流通していないし、問題の牛がいた群れはすでに隔離した」としている。
アルバータ州はカナダの牛肉生産量の約6割を占める。輸出先は米国が圧倒的に多く、昨年同州から米に50万頭以上の牛を輸出した。米農務省は「適切な措置がとられていて、米で人の健康に危険が及んだり、家畜に感染したりする可能性は低い」とみている。
カナダにとって日本は米、メキシコに次ぐ牛肉の輸出先。昨年は約5200万カナダドル(約41億円)を輸出した。日本の年間牛肉輸入量の3―4%をカナダ産が占める。 (10:09)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20030521AT2M2100T21052003.html