こんなんもありますけど
クリスチャン・コアリション
クリスチャン・コアリションは、福音派(エヴァンジェリカル)
の急進派ファンデメンタリストであるキリスト教原理主義の中核と
見られている。しかし、ファルウェルなどの「モラル・マジョリテ
ィー」出身の指導者達が、排他的な原理主義者であるのに対して、
クリスチャン・コアリションは、規模の拡大と政治的影響力を高め
るために宗教色を薄め、政治的な宗教右派勢力を形成してきた。
ブッシュ政権と宗教右派
得票総数で民主党ゴア氏を下回り、最終的には訴訟という非常手
段を用いて大統領に選ばれたブッシュ大統領にとって、常にブッシ
ュ・パパの成し遂げられなかった再選への夢がつきまとう。
ブッシュ・パパは、キリスト教原理主義者であるダン・クエール
を副大統領起用することで、宗教右派の取り込みを狙うが、選挙後
の政策では、中道派に徹し、妥協的な運営を行う。その結果、共和
党右派や宗教右派の反発を招き、92年の選挙敗北の一因となった
。
クリスチャン・コアリションなどの宗教右派は、選挙のための集
票マシーンとして利用されるだけの存在から、政策決定の場に影響
力を高めることが目標となった。そして、現在のブッシュ政権で彼
らの目標が実現に近づきつつあるようだ。
父親の敗因を知るブッシュ政権は、司法長官に宗教右派に属する
ジョン・アシュクロフト前上院議員を指名する。この時、リベラル
系団体は、「極右のアシュクロフト氏の指名は、クリスチャン・コ
アリション、全米ライフル協会の会長としてなら、正しい選択であ
るが、司法長官としては、全くの不適格者である。」などと、指名
反対のキャンペーンを連日行った。
アシュクロフトに代表される宗教右派の特徴は、妊娠中絶、同性
愛、銃規制、国際刑事裁判所などの問題では、絶対に譲れない明確
な一線を築き、違う立場を表明する人々を敵視する傾向がある。そ
して、しつこいほどのロビー活動を展開するようだ。
ブッシュ大統領は、彼らの願いを叶えるかのように、政権奪回後
の最初の仕事に選んだのが、「海外で妊娠中絶を支援する団体への
政治援助禁止令」への署名である。かつて、レーガン元大統領が署
名し、クリントン元大統領が覆したものを、再度復活させたのであ
る。
最近では、今年7月22日にブッシュ政権が発表した国連人口基
金への拠出中止は、宗教右派に大歓声で迎えられる。同基金は途上
国での家族計画や女性の健康増進プロジェクトを進めてきたが、宗
教右派は、基金の支援によって中国で強制的な避妊や中絶が行われ
ていると決めつけ、支出に反対してきた。ブッシュ政権は、その疑
いを直接裏付ける証拠が見つけられないままに、国連に約束してい
た3400万ドル(約40億円)の拠出を取りやめた。
その後、8月5日には、人工妊娠中絶に反対する宗教右派が中心
となって制定を求めていた新生児権利保障法案が成立した。生まれ
てきた新生児には、米連邦法に基づくすべての権利を与えて保護す
るとされ、中絶容認派や中道派は、ブッシュ政権が中絶禁止へ踏み
込む地ならしではないかと警戒を強めている。
これまで、共和党は、女性票や貧困者の票の獲得が弱点と言われ
てきたが、中間選挙対策として、宗教右派の集票マシーンを活用す
るために大きく歩み寄ったのである。中間選挙は、30〜40%程
度の投票率にとどまる傾向にある。従って有権者の20%の支持を
集めれば当選可能となる。パウエルの人気票や女性票などの浮動票
より、組織票に重点を置いた中間選挙戦略が、共和党勝利につなが
ったようだ。
投票率39%の2002年中間選挙を制した共和党は、2004
年に向けて早速始動している。2000年の接戦となった大統領選
の投票率は51%、浮動票を取り込むために国民的人気の高いパウ
エル国務長官の政権内での発言力が高まる。ブッシュ大統領が、対
イラク政策をネオコンやタカ派の強硬路線から、パウエルの協調路
線に傾いたのはこのためである。
しかし、考えられないような出来事が起こる。上院も知事も共和
党が久しぶりの勝利を達成した南部ジョージア州である。特に上院
選では、共和党サクスビー・チャンブリス候補の当選の可能性が極
めて低いとみられていたが、民主党現職マックス・クリーランド議
員が敗れる結果となった。投票3日前には、ブッシュ大統領が現地
を訪問し、州内2カ所でチャンブリス候補の応援演説を行って投票
を呼びかけたが、この選挙戦を陣頭指揮したのが、ジョージア共和
党会長であるラルフ・リードである。
キリスト教原理主義とネオコン
多様な草の根団体が、一致団結できた理由について、グローバー
・ノーキストは、次のように語っている。
「自分たちが描く将来像と他のコアリションの将来像とが、決して
矛盾していないということに気づきはじめ、また自らのコアリショ
ンにとって完璧な候補を立てて負けるよりも、選挙民に受け入れら
れるような候補を支持して左派を倒したほうが得策であると認識し
ているからである。」
従って、勝利するためには、手段を選ばない打算的な考え方が見
えてくる。同じような考え方で、宗教右派ではなく、キリスト教原
理主義者に歩み寄ったのが、新保守主義(ネオ・コンサーバティズ
ム=ネオコン)である。
1997年に「新しいアメリカの世紀のためのプロジェクト(P
NAC)」を設立し、「ウィークリー・スタンダード」誌の編集長
でもあるウィリアム・クリストルの父、アーヴィング・クリストル
は、1984年7月号の「コメンタリー」誌にて、ユダヤ系アメリ
カ人は、ジェリー・ファルウェルや他のキリスト教原理主義者との
同盟をもっと緊密なものにすべきだと主張している。そして、「リ
ベラリズムは、今でははるかに守勢に回ったため、われわれ追い詰
められた者は、味方の選り好みをする余裕はないのだ。」と書いて
いる。
実際にギングリッチやノーキストの伝統的右派グループと宗教右
派、そしてネオコンとの接点を見ていくと、不思議なことにふたつ
の言葉に集約されるようだ。それは、「レーガン」と「イスラエル
」である。
核戦争を待望する人びと
かつてキリスト教原理主義の影響を最も受けていたのが、レーガ
ン政権である。レーガンは、新約聖書の「ヨハネ黙示録」のハルマ
ゲドンを世界最終戦争に結び付け、少なくとも1986年まではそ
の必然性を信じ込んでいたようだ。
当時レーガンは、ソ連を「悪の帝国」と見なし、核軍備の大幅増
強を推進した。その背後には、キリスト教原理主義の影響があった
。
そして、ブッシュ大統領の発した「悪の枢軸」は、レーガン時代
の復活と見るべきだろう。彼らを呼び起こしたのは、911である
。しかし、あらかじめ予期していたかのごとく人事配置が行われて
いた点は不思議でならない。
1982年に行ったパット・ロバートソンの言葉がある。
「1982年の秋までに誓って世界はこうなります。この世に世界
の審判が下り、ソ連に向けて下されます。軍事的冒険に乗り出す輩
が現れるが、彼らはやっつけられるでしょう。」
20年の時を経て、ソ連がイラクへと変わる時、彼らは、今度こ
そ「天国移送(ラプチャー)」によって天上へ引き上げられると信
じているようだ。「天国移送(ラプチャー)」を信じる者にとって
、キリストから新しい天と地を用意してもらえるために、地球など
はどうなってもいい存在であり、京都議定書など関係ないのである
。
彼らにとって、彼らと同じ選民の国、イスラエルでは、左右両派
による連立政権が崩壊し、タカ派のネタニエフ外相とモファズ国防
相が登場する。一時的ではあるが、史上最悪のタカ派政権誕生とな
った。実は、時を同じくして、諜報機関モサド長官もタカ派に変わ
っている。なにやら一大イベントに向けて、準備が着々と進められ
ているようだ。
危機感を強めたローマ法王ヨハネ・パウロ二世は11月14日、
イタリア国会を訪れ、上下両院議員を前にした初めての演説を行う
。ここで、「世界の宗教は、平和をもたらすことができるかどうか
の挑戦を受けている」と語り「紛争の論理にとらわれていては、真
の解決は望めない」と述べ、イラク問題などに対する米国の力によ
る解決姿勢を暗に批判した。
イラク戦争回避によって米仏戦争になって、米対独仏関係は破局に
なっている。しかし、このローマ法王が独仏の戦争回避をサポート
しているために、「プロテスタント福音派+ユダヤ教」対「カトリ
ック教+イスラム教?」の戦いになってしまった。
このことに気が付いたのがイスラエルで、どんな状況でも生き延び
るためにヨーロッパ(独仏)を無視しないという外交を打ち始めた
が、一人米国だけがこの宗教戦争に突入させるようですね。
熱心なカトリック教諸国も、生き延びるために米国とローマ法王に
二股を掛けるような手を打っている。もっともカトリック教会に近
いスペインとイタリアの政権は米国支持で、国民の大多数はカトリ
ック教徒であるため戦争回避にその世論はある。この政権首脳は苦
労している。それが宗教戦争を煽るネオコンのラムズフェルド非難
になるのです。
その点、ドイツは米国プロテスタントと同じであるため、国民も政
権も心置きなく、戦争反対ができる。カトリックが多くないドイツ
は米国との宗教戦争にならない。米国もドイツには大きく反発して
いない。
なぜローマ法王はそんなに反対するのであろうか?
それはファティマ第3の予言や黙示録、ノストラダムスの予言など
、またローマ法王庁終焉のマラキの予言により法王庁サイドが、ハ
ルマゲドンの兆候を感じているからであろう。ここ10年、ローマ
法王は世界の隅々まで布教活動をしている。その理由はハルマゲド
ンの防止であると思う。ところが、とうとう恐れていたハルマゲド
ンが現実のことになるとローマ法王は思っている。この思いがヨー
ロッパの指導者に伝達されたように感じる。そして、最後の望みは
ブッシュがカトリックであることですが、どうでしょうか??
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/