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No.14
育児日記
by
猪狩真久男
from
バンクーバー
2001/03/28 02:24:29
私が育児方針を変えたのは友人からの一本の電話でした。
「聞いた話なんだけどね。例えば、子供がオモチャをテーブルの上からわざと落とす事があるよね。拾ってあげるとまた同じ様に繰り返す事があるでしょう。それは、子供なりに【実験】をしているらしいのよ。『そんな事をしたらダメでしょう!』と言って、そのオモチャを取り上げるのは、その子の好奇心の芽を摘み取る事になるんだって。そこは、辛抱して気の済むまで何度も実験をさせてあげるの。そうやって辛抱強く何度も何度も拾ってあげられるのは、パパとママだけなんだから」
「なるほど!」早速、私は次の日からそれを実行に移す事にしました。「辛抱、辛抱、これは実験なんだ。私がその芽を摘んではいけない」と自分自身に言い聞かせる毎日が続きました。
それは、ある晴れた日の午後の出来事でした。私たちがよく利用する公園と自宅の間には、小さな池があります。まだ帰りたがらない息子(22ヶ月)は、棒切れを見付けて、その湖面を掻き回し始めました。そうなると、娘(4才)も真似をし始めます。
以前の私ならこう言いながら、棒切れを取り上げて止めさせていました。「池に落ちるからそんな事はしないの」。
が、育児方針を変えた私は「池に落ちないように気を付けなさいね」と一言だけ言って、後は二人の【実験】を側で見守る事にしました。
「ドボン」。案の定、息子が池に落ちちゃいました。直ちに拾い上げ、全身びしょ濡れになった息子を「もう大丈夫だよ」と言いながらしっかりと抱き締る。ハトが豆鉄砲を食らった様な顔をして突っ立てる娘には「ほらね。ダディの言う事はよく聞きなさいよ」と今から第二反抗期対策を洗脳する。
アッ、そう言えば彼らには伝えていなかったね、育児方針を変えた事を(笑)。
Res.1
by
J.Boy
from
バンクーバー
2001/03/28 07:34:24
俺にも子供が出来たらそう育てると思う。
先に作ってくれる人を見つけなくてはならないが、、、(^^;)
Res.2
by
うるる
from
無回答
2001/03/30 03:48:32
いいお話だ。
私も解っているつもりなのだが、17ヶ月の我が子の行動には、つい「きたなーい」とか「
やめなさい」と言ってしまう。
私も今日から、ひろい心でせしってみます。
いつまで、できるか解らないけど、、、。。
Res.3
by
だすお
from
卓球は不得意です!
2001/03/30 17:38:42
猪狩さん、いつ読んでもあなたの家庭は幸せそうですね。
私ももうすぐ9ヶ月になる男の子がいます。
私はどちらかいえば、言ってやめさせるほうで、妻は黙って実験を見ているタイプです。
これを読んで、妻のやってる意味がやっとわかったような気がします。
私もひろい気持ちで接してみようと思います。
大変参考になりました。
Res.4
by
猪狩真久男
from
バンクーバー
2001/03/30 21:34:10
「雨上がりの公園には気を付けよう」の巻き
三日ぶりの晴天。こんな時は、思いっきり外で遊ぶのが一番だ。いつもの公園で子供たちと一緒に走り回る。
「よし、今日はちょっと遠くまで散歩しよう」。公園から東へと続く遊歩道は約2kmある。昼食前のちょうど良い運動にもなる。てくてく、親子三人並んで東へと歩き出す。
「しまった!」。前方右斜めに大きな水溜まりを発見する。「どうか気付かないでくれ」と祈りつつ側を横切る。その時、タイミング良く水溜まりと反対側を大きな黒い犬が走り抜ける。息子は、それを目で追い水溜まりには気付かなかった。が、4才になる娘は、その大きな遊び場をみすみす見逃す様な事はしなかった。
「パシャパシャパシャ」。先ずは、手で軽く水面を叩く。直ぐに、息子もその遊び場に気付き走ってそこへ行く。「汚れるから止めなさい!」と喉まで出掛かったが、グッと堪える。一旦、育児方針を変えたのならそれを遣り通さなければ意味がない。
「キャッキャッキャッ」「バシャバシャバシャ」「ワーワーワー」ものの5分もしないうちに二人とも下半身ずぶ濡れの『ゾウの水遊び』状態だ。まだ二歳にならない息子は「カーモン、カーモン」と私を手招きする。その誘いを断って、ふと思う。実は、心の何処かで私も一緒に泥んこになって遊びたいのではないかと。では、私はどうしてそうしないのかと。
今日は、そんな事を自問自答しながら、大きな水溜まりで無邪気に遊ぶ子供たちをじっと見つめていました。
Res.5
by
トトロ
from
無回答
2001/04/01 03:57:13
私、猪狩さんの育児日記ファンです。
Res.6
by
うるる
from
無回答
2001/04/01 06:22:21
私も、ファンです。最近メイルって、悪口とか多いけど、こういうメイルを見ると、心が穏やかになる気がする。これからも、続けてください。
Res.7
by
猪狩真久男
from
バンクーバー
2001/04/02 01:53:49
この時期は、W公園から南の方角に桜の花が見える。折角だから、今日はその下で遊ぶ事にする。
そこには、ちょうど半円を描くように大きな桜の木が並んで五本ある。その真ん中に座って三人でランチを食べ始める。ママの手作りのマフィンを頬張りながら空を見上げる。すると、さっきまでは水色だったのに、今は一面薄桃色に変わっていた。『見事!』の一言だ。こんな時は、学の無い私でさえ一句詠みたくなるから不思議だ。
娘は、芝生の合間から顔を出している小さな野花を摘んで私に差し出す。「良い匂いでしょう」。一応嗅いでみるが、その花が小さすぎるのか私には何も匂わない。だが、「そうだね」と相槌を打つ。
息子は「ワーワー」と叫びながら犬を追っかけ走り回っている。そのくせ、その犬が近づくと「コワイ、コワイ」と言いながら私に向かって走ってくる。内弁慶ってヤツなんだろうか。
私は、もう一度空を見上げる。そして、大きく深呼吸をして『見事!』を吸い込もうとする。「ダディ、見てこれ」。少し離れた所にいる娘が右手を挙げてそう叫んだ。私からは、何やら黄色い物しか見えない。彼女は右手を挙げたまま得意気に近寄ってくる。
「あっ、それは花壇の花だ」
娘は、摘んではいけない物まで摘んでしまったらしい。このまま、それを持って帰る訳にはいかない。「それは大きいから元に戻してあげなさい」。咄嗟に出た言葉は全く意味が通じない。
・・・できた。
「満開の 桜の下で 野花摘む 夢中になりて 生花も摘む」
Res.8
by
猪狩真久男
from
バンクーバー
2001/04/05 01:45:22
ちょうど一年前の出来事です。散歩の帰り道、私が目を離した隙に三才半(当時)の娘が交差点に飛び出しました。幸い、車の方が停まってくれたので大事には至らなかったのですが、『ドキッ』とする一瞬でした。
「車に引かれたら死んじゃうじゃないか!」。まだ冷静になれない私は、娘にそう怒鳴り付けました。「死んじゃう?」。娘には『死』と言う意味が理解できない様でした。
では、どうやって幼い娘に『死』を説明したらいいのであろうか。「天国に行く事なんだよ」「星になっちゃうんだよ」では余計に不可解であろう。そこで「死んじゃうと言うのはね。ダディとマミィと離れ離れになってずーっと会えなくなる事なんだよ」と説明した。すると、娘は泣き出した。彼女にも『死』と言うものが悲しいものと伝わったようだ。
今日、初めて娘と口喧嘩をした。それは些細な事から始まり、挙げ句の果てには「ダディの事なんか大嫌い!」と言われた。どうして嫌いなのかを彼女に聞くと、どうやら私の御仕置が気に入らないようだ。御仕置と言っても、これでも私は手加減をしているつもりだった。娘が悪戯をしても謝らない場合だけ、嫌がる彼女を力尽くで寝室に連れて行き「反省するまでそこに居なさい」と言ってドアを閉める程度だ。
しかし、彼女はそれを逆恨みしている様子だ。「キチンとダディの言う事を聞いてさえいれば、そんな事はもうしないよ」と説明しても、彼女の怒りを押さえる事はできない。「ダディの事なんか大嫌い!」。また、そう言われると何だか急に悲しくなってきた。
そう言えば、私も幼い頃に同じ様な事を父に言ったような気がする。親になって初めて『親』の気持ちが分かるものだとしみじみと思う。今なら素直に言えそうだ。あの時の暴言を謝っておこう。
「お父さん、あんな事言ってごめんね」。離れ離れになってずーっと会えない父にこの言葉は届くであろうか。
Res.9
by
猪狩真久男
from
バンクーバー
2001/04/11 02:35:35
子供は片言を話し始めた頃が一番可愛い。丁度、長男がその時期だ。
毎日、夕方になると愚図りだす彼。「さんぽしようか?」と尋ねると「ノー」。「じゃあ、おうちにいる?」「ノー」。「それじゃあ、おもちゃであそぶ?」「ノー」。
何を言っても頭を振って「ノー」である。しかし、そんな彼に耳元でそっと囁いてやる「アイスクリームたべる?」と。透かさず、彼はニヤリと笑みを浮かべ頭を縦に振る。
【可愛い】瞬間である。
赤の他人のは少し汚い話しだが、長男は鼻の穴を上手に穿る様になった。夢中になって、穿っている彼に話し掛ける「(鼻糞)ある?」と。すると、返事は「ある!」だ。それで、しばらく観察していると、彼は人差し指を鼻の穴から抜き取り、私の目の前に突き出して、こう言うのだ。「おおきい」。
それをきれいに拭いてやると、また、夢中になって穿り始める。私も、また「ある?」と話し掛ける。すると、今度の返事は「ない!」だ。それで、しばらく観察していると、彼は人差し指を鼻の穴から抜き取り、また、私の目の前に突き出して、今度はこう言うのだ。「ちっちゃい」。
【可愛い】瞬間である。
Res.10
by
猪狩真久男
from
バンクーバー
2001/04/17 02:18:22
義理の母の好きなジョークの一つにこういうのがある。
ある日、母猫とその子猫が二匹並んである一本道を歩いていた。途中、その道の真ん中に大きな黒い犬が立っていた。迂回する事はできない。二匹の猫は、恐る恐る犬に近づいた。
「グルルッ ワンワンワン」。二匹の猫に向かって犬が吠えた。子猫はビックリして、母猫の後ろに隠れた。ところが、母猫は犬に向かって吠え返したのである「ワンワンワンワン」。
するとどうでしょう。その大きな黒い犬は、二匹の猫の為に道を開けてくれました。キョトンとした顔をしている子猫に、母猫は諭すように言いました。「とっても大事なんだよ。外国語を話せるって事は」
ある日、私は娘(当時2歳)と買い物に行きました。買い物の途中、私は便意を催しトイレを探し始めましたが、なかなか見つからなかったのです。やっと見付けて、娘とトイレに駆け込み、ドアを閉めて、便座に座り、これで一安心。が、娘が大きな声で一言。
「くさいなぁー」
隣には、すでに先客(?)が居たらしく、その悪臭がこちらまで充満していたのです。私には、そんな事よりも、彼女の一言が恥ずかしくて、どうしようかと思いました。『おっ、今のは確か日本語だったよね』
---とっても大事なんだね。日本語を話せるって事は---
Res.11
by
みかん
from
バンクーバー
2001/04/22 17:56:22
いやー、いい話ですねー。私も子供ができたら、参考にしたいです。子供がいなくても関係ないかな。充分勉強になりますよ。
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