米英はイラク攻撃を余りにも軽く考えていたようです。開戦前には2週間でバクダットを攻略すると云っていました。
自軍の人的損害をアフガンなみに抑えられるだろうとと考えていたようですが、それはもう既に3桁にのぼっているようです。
第2次世界大戦は別にしても米国は朝鮮戦争で3万8千人、ベトナムで5万人強の戦死者を出していますが、今日の社会では自国の若者が遺体袋に入って帰って来ることに対する世論の反応はその頃とはまるで違います。

これから始まるバクダットの攻防戦では予想を遥かに上回る損害を蒙ることになるでしょう。
12年前の湾岸戦争で華々しく勝利した先代ブッシュは経済の失速が原因で2期目の再選を果たせませんでしたが、ジュニアの今後にも既にもその兆候が見てとれるような気がします。

戦死者数もそうですが、従来の膨大な財政赤字の上にのしかかる戦費の拡大は長期金利をどんどん押し上げ米国経済に深刻な打撃となってくるでしょう。
大幅減税による景気刺激策を打ち出しているようですが、焼け石に水どころではないはずです。

今何が平和や安定を脅かしているのでしょう？ブッシュが云う「悪の枢ジュク」などではなく、私はアメリカこそが今最も危険な存在だと思っています。
私は戦争の動機が石油利権だけだとは思いませんが、ブッシュの頭の中には色いろのものがあるように思います。
以下考えられるものを列挙してみます。

１）９．１１以来、核や生物化学兵器がテロリストの手に渡るのを防ぐ。
２）サダム支配下の暴政から彼の国の国民を解放し、「自由と民主主義」をもたらす事で　中東地域全体の民主化が実現すればOPEC体制が崩壊し原油価格を低価格安定に繋げられる。これは世界経済にとって最良の環境醸成となる。
３）唯一の超大国として米国の世界戦略（石油利権を含み）上自国の覇権と秩序を確立出来る。
４）そうした「偉大な大統領」になる事で再選を果たしたい、という個人的な野望。

私は、こうしたあたりに彼らの根本的な誤りがあるのだと指摘したい、と思います。
国連決議なしでこれほどの軍事侵攻をやる事自体「気に入らない政権は武力で潰してしまえ」という「ならずものの論理」に他なりません。
「国際法？」「うるせえ！俺たちが法律よ」という訳です。

ともあれ、米英がこの戦争に勝つ（軍事的に）のは間違いないことでしょうが政治的にはどうか、という疑問が残ります。
戦後復興を日本でやったような軍制をモデルに「民主的政権」が機能するようになるまで米国あたりの行政官をおいて対処する、というプランのようですがこれは失敗するでしょう。
アラブ世界の人たちは別の世界観を持っており西洋型の民主主義といういものを最高のものだというふうには考えていないからです。

北部にはクルド族、南部にはシーア派という反対勢力がいるというだけでなく国全体が夥しい数の部族社会の集合体で成り立っているのですから日本やドイツのようにいかないのは火をみるより明らかだ思います。
そのあたりが「本を読まない」という事で有名な無識な大統領をもった米国人の悲劇なのです。
教養がない政治指導者というのはそうした意味で恐ろしい存在なのです。

ブッシュ自身「なぜテロが起きるのか」「アメリカはなぜ嫌われるのか」という事について歴史的に社会科学的な見地から考えて見ようとなどしませんし、彼の周りの国際政治や安全保障の博士号をもつブレーンたちでさえもそうした思想を欠落させた人たちばかりのようです。（そういう専門家を当然彼が選びますか）

ブッシュは南部の典型的なプロテスタントの fandamentalsum（原理主義）の宗教的風土の中で育ち非常に単眼的な善悪の尺度で世界を見てしまう、という偏執きょうの見本のような人物のようです。

私が最も恐れていた事なのですが、湾岸戦争時と比べてその兵戦力が半分以下で充分な訓練さえ受けていないイラク軍があまりにも短期間で敗走してしまえばブッシュは益々勢いづいてノースコリアの核関連施設への攻撃にはじまり下手をすれば半島での全面戦争にもって行きかねない危険性があったのです。
その内イランやサウジだって目標に入れてしまうかも知れません。

人が死ぬのが愉快な訳がないのですが、私はこの戦争が１日でも長引きとりわけ米国の兵士がひとりでも多く戦死してくれるのを祈りたい気持ちです。

そうなる事でしかアメリカの論理が世界に受け入れられる事はないのだ、という事を明確にする事は出来ないのだと思うからです。
国際社会の道徳律というものの現実は正義にほど遠いものなのです。
パレスチナの人びとの上に降りかかる不条理な悲劇をなぜ見て見ぬふりをし、あの悪魔のようなシャロンやブッシュを勢いづかせているのか？
サダム・フセインやキム・ジョンイルの暴虐を許せない、しかしアメリカがやって来たその狡猾性や非道徳性はその強大な軍事と政治のパワーの前に比較の対象になり得ないほどのものなのです。

今北米、欧州それにアラブ各国で激しい反戦反米の抗議行動が燃え盛っています。
それでも彼らは戦争を止めないでしょう。
９・１１での３千人の死者と、アフガンの農民２万人イラクの数千人にのぼるかも知れない市民の犠牲者と同じ命の重さとでも云うかのように・・です。

この事はノースコリアの日本人拉致被害者と４１万の朝鮮人強制連行は重さが同じであるかのような昨今の日本の世情とよく似ています。
（先日ワシントンを訪れた如何わしい人物が率いる拉致被害者家族の団体では米国は社交辞令しか云う気持ちなどありえない）

今日のITのテクノロジーはこうした私たち市民レベルでの主張を国境を越えて発信し合い全地球的規模の世論をつくり上げて行けるものだと考えます。

　　　　　　　　　　　　　　　ありがとうございました。

トピとはまったく関係ない話になりますが、私はこういった世界情勢、はたまた日本経済についてさえも、ほとんど知識がありません。過去の歴史もﾁﾝﾌﾟﾝｶﾝﾌﾟﾝ。興味がないのです。しかし、一般常識として知っておくべきですよね。ですから旅人さんのように、世界情勢についてご自分の意見をいえる方尊敬します。（内容については私の能力の範疇を超えるのでコメントできませんけど）どうしたら、そういうことに関心を持てるようになるのでしょうか。どうやって学んでいけばいいのでしょうか。どなたかご教授ねがいます。 　

いくら、立派（一見）な事を言っても、アメリカの兵士が一人でも多く死ねばいい、というくだりは許せません。
又、日本の多くのマスコミや政治家が言ってるように、あなたも国連至上主義のようですが、国連なんて、政治的にはまったく頼りにならないし、逆に不平等の象徴みたいなもんです。アメリカロシアなど5カ国だけが拒否権をもつ常任理事国である限り、国連決議など何の重みも無いことは明白でしょう？それを、伝家の宝刀のように国連決議なしに・・・なんていうのは、滑稽です。
あなたは、平和主義者でもなんでもなく、ただのマスコミに感化されたアジテーターなんでしょうね。

別に、世界情勢に興味が無いのは、特別な事だとは思いません。ていうか、興味の無い人が大半でしょう。 　

旅人さんは人の命の重さを、人数で比較して善悪の判断もされているように感じてしまいましたが、私が変なのでしょうか？

＞ノースコリアの日本人拉致被害者と４１万の　朝鮮人強制連行は重さが同じであるかのよう　な昨今の日本の世情とよく似ています。
　（先日ワシントンを訪れた如何わしい人物が　率いる拉致被害者家族の団体では米国は社交　辞令しか云う気持ちなどありえない）

これは、あんまり意味が分からなかったのですが。。日本は昔、４１万人も挑戦人強制連行したのだから、拉致被害者の家族はだまってあきらめろと？４１万人もの被害に比べたら数十人の拉致被害者、その家族の苦しみはどうでもいい？？　ということでしょうか？

他にもよく分からないことがあるのですが、
無知なので上手く説明できません。私は、この無知も手伝って、すぐに情報を信じ、感化されやすかったのですが、
カナダに来てから、色んな国の人の感覚や意見を聞くことによって、物事には色んな側面や
見えない事実があるんだ。。ということを実感することが多いです。テレビのニュースで映し出されるのはほーんの一部にしか過ぎないんですよね。

トピずれかな？
とっても気になったので思わずレスしてしまいました。失礼しました。 　

レス２
確かに国連は拒否権をもつ常任理事国を持つ平等な組織とは言えないが、その組織の決議さえ守れないアメリカ（常任理事国）ってやっぱり国際的にみればルール破りの異端児だよね。

＞＞別に、世界情勢に興味が無いのは、特別な事だとは思いません。ていうか、興味の無い人が大半でしょう。

そういう人が何故このレスに書き込みしてるの？ 　

旅人さん、あなたのこの文章
「人が死ぬのが愉快な訳がないのですが、私はこの戦争が１日でも長引きとりわけ米国の兵士がひとりでも多く戦死してくれるのを祈りたい気持ちです。」
読んでて、吐き気がします。
こんな主張をしている人に、世論をつくり上げていってもらいたくなどありません。

　

このトピ主は、
https://www.jpcanada.com/asp/bbs.asp?bbs=006&msgid=838&fukushu=1
のトピ主の旅人さんと同じ人なのだろうか？ 　

あなたの戦争にたいする気持ちはつたわります。心から戦争を嫌う者としてこれから、あなたはなにをするのだろう？