もし3人が誘拐されなかったら、もし国に自衛隊撤退でなく家族に身代金を要求されていたら、3人の評価はどうなっていたでしょうか。
自己責任論の本質が、解放された3人の人道的行為云々よりむしろ、その家族の「肉親かわいさから礼節を忘れた態度」から来るとしたら、3人はそれこそ被害者であり、「自己責任論」が本質から逸れている、つまり非難されるべきは家族であって当人ではないということになります。
家族の態度がどうとか、彼らの政治的スタンス(左翼)とかは度外視して、もう一度冷静に国家と国民の関係を問い直し、また危険な地区での人道活動について再評価するべきではないでしょうか。
被害者の家族は、あまりにも軽率に自衛隊撤退を口にし、メディアも3人の過去の政治活動などおもしろおかしく取り上げて、格好の政争の具とされてしまい、危険な地区での人道活動の是非という問題の本質が意図的に逸らされてきたように思います。
おぼれた人を救助するため海に飛び込み、英雄視された人がいます。
おぼれた人を救助するため海に飛び込み、自らも救助された人がいます。
飛び込むときには、その後どうなるかはもちろんわかりません。
あなたはどう評価しますか?
健康保険などについて、日本人が国家より組織(会社)を重んじるという毎日の指摘には同意します(何でも国家がやるのは社会主義的であって、それがいいとは一概には言えません。国家による恣意的な国民支配が行われる可能性がありますが、かといって会社がやっても同じようなことかもしれません)。日本人は民族性と国家の違いを意識していないし、日本国籍は初めから当然のように持っているものであって、権利として自分で獲得したという発想はありません。それゆえ国益のために何か(生命など)を犠牲にするという発想は、日本人には全く受け容れられないでしょう(ダグラス・グラマン事件やKDD事件など、会社のために命を捨てた人は何人もいます)。
毎日の文中に「フランスのように大陸で、外敵の侵入が容易なうえ、ご先祖さまがあちこちに移動する遊牧民族、騎馬民族の場合」とありますが、よほどの未開人でない限り世界のほとんどの民族は農耕を知っており、日本で農耕が始まったのは弥生時代(異説あり)、フランスでも紀元前から農耕を行っており、「農耕民族・遊牧民族」の話は聞き飽きました。島国は外敵の侵入を受けにくいというのも大航海時代以前の話です(林子平は、四方が海だから海防は必要ないとする幕府に対し、「海国兵談」のなかで「オランダ清国までの水路なり」と述べています)。「フランス人が騎馬民族で日本人が騎馬民族でない」という話については、ナンセンスとしか言いようがありません。
島国根性については以下のレスを参照。
https://www.jpcanada.com/asp/bbs.asp?bbs=006&msgid=2587&from=26