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東日本大震災
東日本大震災に関するトピックです。
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No.113
■注意しておくべきはヨウ素
by 想定外 from バンクーバー 2011/03/28 02:59:43

―― 放射線物質には、ヨウ素やセシウムなど様々な種類があります。

 気をつけなければならないのは、放射性物質の「ヨウ素131」です。チェルノブイリ原発事故から25年。12万人のデータがあります。実は、発がんなどの疾患で確認されているのは、甲状腺がんが唯一なのです。そして、甲状腺がんを引き起こした原因が、ヨウ素131です。

(注:放射性物質でないヨウ素は甲状腺ホルモンの構成物質で、人間にとって必須の元素である。体内には常に存在しており、海藻などから取り込んでいる。甲状腺には、ヨウ素を取り込んで貯める機能がある)

 ただ、ヨウ素131は(放射能が半分になる)半減期が8日と短い。尿からも排出されやすい物質です。甲状腺に貯まることだけが心配です。それを防止する効果がある「安定ヨウ素剤」が話題になり始めたのはそのためです。

(注:安定ヨウ素剤は、甲状腺が「ヨウ素131」を取り込まないように、あらかじめ放射性物質でないヨウ素を摂取するための薬剤)

 ただ、チェルノブイリのデータでは、発がんなどの発症率と放射性物質の被ばく量には、明確な関係性が見られません。どれだけ摂取したら発症すると、はっきり言えるものではないのです。

 ちなみに、半減期が30年の「セシウム137」は、体内に入ると筋肉へ行きます。ただし、チェルノブイリの症例を見ても肉腫など筋肉のがんは1例もありません。この点からも、注意しておくべきはヨウ素といえます。

Res.1 by 想定外 from バンクーバー 2011/03/28 03:01:09

放射性物質は同心円状に広がるわけではない

―― そもそも、いま原発から20kmまでが避難地域、20〜30kmは屋内退避という対応は適切なのですか。

 放射線がどのように拡散しているのがわからないため、適正かどうかの判断はつきにくい状況です。

 放射性物質は原発を中心にした同心円状に広がるわけではありません。風向きなどによって、濃度の濃いところもあれば薄いところもある。例えば、30kmを超えていても、線量の多いところは避難すべきかもしれないし、薄いところは避難の必要はないかもしれない。

 文部科学省が運営している「SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)」などを使えば、どこに放射性物質が拡散しているのか分かります。

こういったデータは随時公開すべきです。私のような医療の専門家は放射線量のデータがないと何もできません。

(注:「SPEEDI」は原発などの施設から出てくる放射線物質が、どういった方向に拡散していくのか、どの程度の被ばくがあるのかを算出するシステム。)
Res.2 by 想定外 from バンクーバー 2011/03/28 03:03:40

 福島県は、地震に津波、原発の3重苦を負っています。今、福島県の人々は、生活インフラが崩壊しています。放射線を怖がって多くの薬局が店を閉めているので、医師は処方箋を書くこともできません。支援物資も届きません。それでも、地元で踏ん張ろうとしている人が大勢いるのです。

 放射線の健康への影響が判断できるように、正しい情報を迅速に出してもらいたい。そして、力を合わせて福島県を支援していかなければならないと、思いを強くしています。

Res.3 by 想定外 from バンクーバー 2011/03/28 03:06:25

日本の場合は、普段から海藻などヨウ素の摂取量が多い食生活をしています。

放射線が漏れてしまっても、ガスの形で大気中に拡散していれば、拡散効果があり、いずれは基準値を下回る水準に下がってきます。福島原発ではあれだけ給水を続けているのだから、水や海に溶けているはずです。

 米国のコロラド州デンバーに住んでいる人はニューヨークに住んでいる人の6倍の放射線を浴びているが、発がん率に差はない。一般論としては、浴びる放射線を減らすことが重要だが、一方で日常的に浴びているという事実をきっちり認識すること。

Res.4 by 想定外 from バンクーバー 2011/03/28 03:08:30

―― 水や海に溶けているという話が出ましたが、魚などの海産物を食べるのは危険なのではないですか。

 水はもともと、放射性物質を希釈するのにもっとも便利で有効的なものです。だからこそ、原子炉の燃料も水に浸っているわけです。

 加えて海にはもともとヨウ素が含まれている。放射性ヨウ素が流れたからと言って、特定の魚に放射性物質が集中するのには、相当期間、大量のヨウ素が流れなければ起こりません。

 放射性物質には半減期もあります。ヨウ素131の場合は8日で半減する。ヨウ素131が検出された水道水をコップに入れておけば、1カ月後にはほとんど問題なく飲めるということです。

 チェルノブイリのときには放射性物質そのものが広範囲に飛散しました。放射性物質が雲で運ばれ、雨となって落ち、コケや草などに付着しました。それをトナカイや牛が食べ、肉やミルクの放射能レベルが上がる生物濃縮が起きました。今回の事件では、現状では放射性物質そのものが飛び散るという問題は考えにくい。風評で日本の魚を食べなくなるのはおかしいです。

 ほうれん草やミルクも同じです。ほうれん草ならば冷凍して何十日か置いておけばいいでしょう。ミルクも捨てずにチーズにさせて長期間熟成させたり、粉ミルクにするなど、時間をおけば問題なく食べることができます。

 今回も全く放射線が飛んできていない地域もあるはずで、慌ててすべて捨てる必要は本来はありません。

―― 各国で日本の農産品をボイコットする動きも出ています。

 どこの国も輸出入基準を設けていますが、放射線のような場合は、後で消費者から文句を言われないように、とにかく保守的になる傾向があります。そのほとんどは科学的、医学的なものではなく、政治的な理由です。

 だからといって日本産以外の農産品がきちんと検査されて安全かといえば、決してそうとも限らないでしょう。

 何度も言いますが、放射線は日常的にあるということをきちんと理解し、危険値以下であれば大丈夫であるということを忘れないことが大事です。ただし、そのためには、政府は放射線とはどのようなものか、どのような対策が必要か、もっと説明が必要です。

―― 東京都の水道水に暫定規制値を上回るヨウ素が検出されました。飲んでも大丈夫でしょうか。

 暫定規制値というのは、影響を受けやすい子供が、大量に摂取したときのことを想定して考えられた基準なので、とても保守的な基準です。

 イメージとしては100万分の1の危険を防ぐような発想です。なので今の値であれば大半の大人は問題ありません。

 避難対象地域の人などは、安定化のためのヨウ素剤を飲むという手段もありますが、ヨウ素そのものにも毒素がある。子供には大きな副作用を引き起こしかねません。

 こうした対処法は絶えずバランスを見ながらです。なので一般の人たちに判断するのは難しい。医師など専門家の判断に必ず従ってください。

Res.5 by 想定外 from バンクーバー 2011/03/28 03:09:27

文科省がついに「SPEEDI」のデータを公開

 特に情報公開へのニーズが高いのが、前述の「SPEEDI」だ。放射性物質の拡散状態をシミュレーションできるSPEEDIのデータがあれば、避難すべきかどうかの判断や、健康への影響が推し量れる。だが、文部科学省は公開に前向きではなかった。

 この状況を、元原子力安全委員会委員長の松浦祥次郎氏(現在は原子力安全研究協会理事長)は、「SPEEDIは元々、災害などで放射線物質が漏れたときに正しい情報を公開するのを目的に作ったシステムです。なぜ公表されないのか分からない」といぶかっていた。

 こうした周囲の声に押されて、政府は3月23日夜、ようやくSPEEDIによるシミュレーション結果を公開した。

そのデータによると、原発から30km以上離れていても、場所によっては年間100ミリシーベルト以上の被曝線量になる可能性があるという。

 「確かに、原発から外部に漏れ出している放射性物質の量を正確に把握できないとSPEEDIの予測精度は下がってしまう。それでも、東京電力の記録を見れば、どれだけの核燃料が原発内にあったのかは分かる。放射性物質の漏えい率を仮に決めてシミュレーションした結果と、各地の放射性物質の測定結果をつき合わせて、ズレがあれば漏えい率を修正すれば良い。福島第一原発から、どの放射性物質が、どのように拡散しているか分かるはずだ」

 福島第一原発では、最悪の事態を避けるべくギリギリの作業が続いている。このまま収束していくのか、それともさらに深刻な状況に陥るのか。福島の人々の不安は計り知れない。



情報公開が進まなければ、健康への影響を評価することすらできないのが実情だ。

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