60年前朝鮮戦争の惨禍で灰になったアジアの小さく貧しい国がどうして世界15位圏の経済大国
に成長したのでしょうか?経済分野を取材しながら持つ‘疑問’です。これを追求しているのが
キム・ソクトン前金融委員長です。彼はユーラシア騎馬遊牧民族の歴史、古朝鮮建国など我が民族
の上古史について驚くほど情熱を持っています。
彼はモンゴルを中心に中央アジア諸国はもれなく訪れ、金融委員長退任後、今年3月中旬から1
カ月近くブラジル、アルゼンチンなど南米7カ国を旅行したのもアジア草原の騎馬遊牧民族の活
動舞台とアメリカ大陸に渡って残した遺物と遺跡を直接見て回るためでした。「大韓民国経済と韓
民族のDNA」という80ページ教材まで作って周りに配っています。
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▲'大韓民国経済と韓民族のDNA'本表紙
「韓国経済発展の原動力は我が民族の血液中に流れる騎馬遊牧民族のDNAだ」というのが核心
の要旨です。彼は「騎馬遊牧民族は不毛な自然の中でしたたかに生き残った民族であり次第にユ
ーラシアを制覇した輝く伝統を持っている」と主張します。
彼は特に古朝鮮に注目します。「古朝鮮は神話ではなく、実在した国家であり、東アジアの最初で
最強の国家でした。古朝鮮は中国の漢族と常に戦争する対立関係にあり、その戦争は古朝鮮が
圧倒的な優位にありました。」
彼は檀君朝鮮が紀元前2308年に建国したのは歴史的事実だと強調します。「青銅器文明はヨー
ロッパからアジアに伝播したので、ヨーロッパ・中国・シベリアより韓半島で先に国家が現れるのは
無理」という既存学界の通説に反論する彼は「最近の遺跡発掘成果などを土台に見れば、青銅器
文明がかえってアジアからヨーロッパに伝播した可能性が高い。韓半島の南端・中部と満州地域
青銅器は紀元前2500年頃に始まったことが確認された」と話しました。
米国学者らが両水里(ヤンスリ)支石墓(コインドル)遺物がBC2665年から2140年の間に作られ
たと推定した内容をキム元委員長は具体的根拠として出します。古朝鮮はモンゴル高原とバイカ
ル湖地域の古アジア族が中央アジアと満州に移動しながら古朝鮮族と匈奴族に分かれた後、古
朝鮮族が建国した国といいます。朝鮮時代に蛮夷と呼んだ満洲一帯の民族がすべて一つの血筋
というものです。シン・チェホ先生の‘朝鮮上古史’に'古朝鮮族と匈奴族は3000年前には兄弟間
の同族という内容があることを根拠とします。(中略:古朝鮮の説明)
彼が紀元前3000〜5000年前まで遡り騎馬遊牧民族の起源を研究する理由は単なる好奇心では
なく経済官僚らしい理由があります。‘漢江(ハンガン)の奇跡’と呼ばれる私たちの経済成長はユ
ーラシア大陸を牛耳った騎馬民族の精神と魂が私たち民族の血液中に流れているためだと話し
ます。そして2030年頃、世界10大経済大国に浮上したのもすべて馬に乗ってユーラシア大陸を
制覇したDNAがあるから可能だったと主張します。韓国人のDNAには冒険を恐れない対外指向
性、柔軟に状況に適応する市場親和性があると説明します。彼は「ユーラシアを制覇した騎馬遊
牧民族のDNAが潜在する大韓民国の国民は世界のどの民族より勇敢で賢い」とします。
(中略:韓国の躍進について)
彼の古代史の話は歴史学界では通説や定説とは若干距離がありますが、一度ぐらい真剣に聞い
てみる価値はあると思います。アジアの小さくて貧しい国が成し遂げた奇跡のような経済的成就
はもしかしたら彼の話の様に私たちがユーラシア大陸の広い草原を支配した騎馬民族の子孫だ
からで、東アジア最強国家であった古朝鮮の後えいだから可能だったのかもしれないからです。
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