顔が似ていることから、サダム・フセインの息子・ウダイの影武者とされていたラティフ・ヤヒア。
フセイン一族の“影武者”として4年の歳月を過ごすなど、激動の半生を生きてきたラティフ。映画『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』来日記者会見が行われた。本作はそんな彼の手記を原案に、葬られた歴史の闇にスポットを当てる衝撃作となっている。
本会見は、もともと11月に行われるはずだったが、成田空港に到着したラティフは、日本への入国を拒否され本国へ送還。亡命者であるため、特別のトラベルドキュメントで入国しようとしたところ、書類に不備があったためだった。
しかし、「真実を知ってもらいたい」というラティフの熱意が実り、再度の来日が実現。ラティフは晴れ晴れとした表情で「やっと日本に来ることができました、この美しい国に来られたことを感謝しております」とあいさつした。
ウダイは学生時代の同級生だったというラティフは、外見が似ているからという理由で影武者に選ばれてしまった。「自分から志願したわけでなく、強制された仕事でした。ウダイから、受けないとおまえの姉妹を強姦(ごうかん)してやると言われました」と独裁者の息子の驚くべき素顔を明かす。
また、たとえ影武者であっても、日ごろから拷問を受けていたといい、「20年前にイラクから亡命した後も普通に眠ることはできませんでした。連日悪夢にうなされるし、イラクで目撃したことが大きな痛みとして残るため、日々つらい生活を過ごしました。拷問の痛みもいまだに残っています」と告白。
そんなラティフは、自分の心はイラクに残っているとしながらも、「正直、イラクに自分が戻る姿は想像がつきません、もうイラクは終わった」と告白。
さらに「イラクという国が、アメリカの介入なしに変ぼうを遂げてくれたらどれだけよかったか」とアメリカへの憎悪を隠さない。「最初は西洋に希望を抱いていました。発言の自由があると思っていたからです。しかし、CIAから拷問を受け、市民権を得られませんでした。
彼らに協力することを拒否したからです」とコメントし、「これまでさまざまな諜報(ちょうほう)機関と話す機会がありましたが、最も教育度が低く、力量がないと感じるのがCIA。
彼らにできることはふたつだけ。独裁者を支持することと、拷問すること」と痛烈な批判を繰り広げた。
さらに
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