【五輪の中の世界】「日本を追い越した!」自信と余裕- MSN産経ニュース
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このところ在韓日本人は韓国人たちから、慰められ、同情され、激励されることしきりだ。
トヨタとバンクーバー冬季五輪のせいだ。「日本はどうしたんですか」「大変ですねえ」「心配でしょう」「日本もガンバレ!」−。
韓国は予想を上回る大活躍で国中が沸き返っている。金メダルの数でロシアや中国を上回り米国やカナダに迫る勢いだから無理もない。
マスコミは連日、スケートの特集で埋まっているが、その次の話題といえばトヨタの不幸の話だ。意気盛んな韓国と日本の意気消沈が印象付けられている。
だからマスコミは各国のメダル獲得順位を紹介するときは、金メダルがなくて20位あたりに低迷する日本を必ず最後にくっつけている。やはりまだ日本は気になるのだ。
国際舞台の韓国スポーツは、いつも国力増進と愛国の象徴になってきた。サッカーしかり、野球しかり…。五輪での大活躍となると国民はいやがうえにも盛り上がる。しかも人気映画だと人口5千万人ですぐ「観客動員1千万人以上!」になるほど集中度の高い国だけに、興奮度はきわめて高い。
そしてスポーツでの勝利は政治、外交、経済などにまで話が広がる。2002年のサッカーW杯(日韓共同開催)で4位になった時など「経済も世界の4強へ!」と官民挙げてのキャンペーンがまじめに展開されたほどだ。
今回、マスコミで目立ったのは「冬季スポーツでアジアの盟主日本を乗り越えた!」だった。日本への“慰め”も、その快感と自信と余裕からだ。
韓国は今やスポーツ、経済、文化…すでにある分野では宿敵・日本を上回りつつある。
昔、日本に支配されたという“被害者意識”からくる「謝罪、反省、償い」論などもう古い?
今年、韓国では「日韓併合100年」といってまた謝罪論が盛んだ。最近、関連のセミナーで「韓国の隆盛ぶりを考えれば昔のことなどもういいじゃないのか」と発言したところ「スポーツや文化は韓国にとっては銀メダル、銅メダルに過ぎない。日本の真の謝罪・反省という金メダルが取れない限り真の日韓和解はない」という識者がいた。
今回、日本を乗り越えた自信と余裕が、対日感情のさらなる緩和やホンネとしての「日本ガンバレ」にまでつながるのかどうか、見どころとして残る。(ソウル 黒田勝弘)