この人もとったよ。
アカデミー賞短編アニメーション受賞作 加藤久仁生監督の一問一答
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090226-00000005-maiall-ent
−−作品誕生の経緯は。
日下部 10分のラブストーリーを10本作るプロジェクトがあって、家族愛、友情という意味を込めて考えて欲しいと加藤監督にオファーしました。その中の1本が「つみきのいえ」になります。
加藤 「(つみきのいえ)脚本担当の平田研也さんとやってみないか?」とプロデューサーに言われたのがきっかけ。平田さんと話して「家の一つ一つには、家族と歴史、思い入れがあるんじゃない?」ということになり、世界観を共有して制作にとりかかりました。そして、家族や人生を象徴した存在であるおじいさんを主人公に、ストーリーラインを考えました。
−−受賞の瞬間は?
加藤 緊張したし、状況はじっくりとは覚えていない。呼ばれたとき興奮してしまって……。まず、スピーチをちゃんと言わなきゃと落ち着くようにと考えていたので。トロフィーは見た目よりもずいぶん重かった。(受賞の)次の日は早く帰らないといけないので早く寝ました。昨日(24日)、会社に帰ったらみんなで迎えてくれて、大変な騒ぎになりました。まだフワフワした感じですね。
−−アカデミー賞のスピーチであった「サンキューペンシル」の意味は?
加藤 鉛筆の手書きの感じを出すことを大事にしていて、鉛筆を握って格闘したから。そういう意味では、紙やパソコンにも感謝しないといけませんが。
−−では(あいさつの)最後の「ありがとうミスター・ロボット」は。
加藤 受賞したときに壇上に上がって真っ白な状態ほど怖いものはないわけで、発表の2日前に通訳の方と一緒に考えた。(米ロックバンド「スティクス」のヒットソング)「ミスター・ロボット」を言えば、アメリカの人は知っているはずと思ったので、冗談半分でそういう流れになった。
−−受賞の自信はありましたか。
加藤 ノミネートされたというだけで、ありがたいことと思っていた。他の作品も見ていたが、よくできていて、どれがとってもおかしくなかった。とにかく結果を待つという気持ちだった。
−−アカデミー賞の授賞式はどうでしたか。
加藤 全体がすごい規模で、エンターテインメントの本場だけあって、イベント自体がショー・アップしていた。(金融不況で)経済は大変なのに底力を感じた。プレゼンテーターのジャック・ブラックさんは好きな俳優だったので、会えてうれしかったですね。ジャックさんの「スクール・オブ・ロック」が楽しかったので、感謝の意を示したら、ギターを弾くまねをしてくれて感激した。
−−高校時代にハードロックのバンドをやっていたそうですね。
ドラムをやっていたんです。ヘビーメタルとか、ロサンゼルスでは時間がなかったんですが、(ハリウッドのロックの殿堂の)ギターセンターの前にいって、手形に手を合わせてゲンをかついできました。今回の作品に関してはハードロック、ヘビーメタルの入る余地がなかったかな。次回作で……。
−−作品で苦労したことは
加藤 私の中で12分という作品は、今まででもっとも長かったのです。そして、鉛筆でカゲにタッチを入れるというぼう大な作業があり、朝から晩まで働いても終わらないという……。始末書を書かされるとんでもないことになりました。そこは深く反省しています。
−−次回作の構想は?
加藤 一人の主人公を客観的に描くという作品を作っていたので、一人称でなく感情の実感がある作品を作りたいと思います。ただ、僕が企画書を仕上げる時間と、OKするプロデューサーの判断なのでいつかはわかりませんが(笑い)。
−−今後は?
加藤 まだ整理できていないところがあります。こういう華やかな経験はなかなかできないものですから……。作品を作ることで欠点が見えてくるので、いろいろな経験も生かせたらなと思います。また今回の受賞をきっかけにして、作品をより多くの人に見てもらえたら。少しは会社に貢献できたんじゃないかと思います。