◆テロで大儲けしていた金融機関
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バンクーバー 2009/01/27 09:07:40
【短信】 ちょうど1年前、フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラルのディーラーだったジェローム・カービエルが、金融先物取引で49億ユーロという史上最大の巨額損失を出し、不正の疑い(文書偽造など)で訴追される事件があった。(その後、史上最大の巨額損失事件は、昨年末に破綻した米国のバーナード・マードフのファンドに取って代わられた) カービエルは最近、初公判を前に、フランスの新聞の取材に対して爆弾発言を発した。それは、ソシエテ・ジェネラルが2001年の911テロ事件や05年7月7日のロンドンの77テロ事件の際、直前にテロで株価が急落しそうな保険会社などの株を空売りしておき、大儲けした話である。
カービルによると、911で会社が大儲けした話は、上司から「わが社が最も儲かったのは911の日だった」と聞いただけだが、77テロ事件の時は、事件の数日前、テロが起きたら急落が予測されるドイツの保険会社アリアンツの株を空売りしておき、テロの発生とともに、数分間で50万ユーロを儲けたという。 911に際しては、事件の少し前、アメリカンやユナイテッドといった米航空会社の株に大量の先物売りの注文があり、航空株の急落につながる大規模テロの発生を事前に教えられていた金融機関があったのではないかと、以前から指摘されていた。その後、米英間を飛ぶ飛行機内で液体爆弾を爆破しようとしたとされる未遂のテロ事件があった06年8月などには、欧州平均株価のインデックス・オプションが大量に売られており、これもテロ発生の情報を事前に得た金融家が大儲けを狙ったものの、テロ発生は当局に摘発・阻止されて実現しなかったのではないかと推測されている。
これらの先物売りは、ソシエテ・ジェネラルだけがやったのではないだろう。一般的に、フランスよりも米英の方が国際情勢の裏事情に精通しており、米英の金融機関はテロで儲けたことを巧妙に隠しているが、当事者群の端の方にいるフランスでは断片が暴露されたと見る方がむしろ自然だ。これまでも仏諜報機関からは、ビンラディンの動向などの情報がマスコミに流れている。爆弾発言が大騒ぎになった後、発言者のカービエルは「私の私的なおしゃべりを、発言の文脈を無視して記事にしただけだ」と、事態の沈静化を図っている。 911や77のテロ事件は、米英当局が発生を黙認したかと考えざるを得ない点がいくつもある。少なくとも、米英当局の発表は鵜呑みにできないと考えるのが妥当だ。昨年6月、神奈川県藤沢市の中学校で、911事件の謀略性を教師が生徒に示唆しただけで親たちが大騒ぎし、教師が謝罪する事件があった。世界情勢の激動は今後何年も続きそうだが、このような、子供が世界情勢の深層に知的関心を持つことを阻止する教育をしている限り、日本人の世界理解は深まらず、日本の未来は暗い・・・と書きかけた後、改めて調べてみると、この藤沢の件については、毎日新聞による記事誇張の疑いが指摘されていた。911をめぐるプロパガンダは、奥が深い。
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