後半については正直、サッカーについてあまり書くことはない。とにかく中国選手のファウルがあまりにむごすぎ、それと同じくらいオ・テソン主審(北朝鮮)のジャッジも不可解極まりないものであった。
後半10分、中村憲が前掛かりになっていた中国DF陣の裏に絶妙なパスを送り、これに安田が抜け出してDFと併走しながら一気にゴールを目指す。しかし、ペナルティーエリアに差し掛かった瞬間、信じがたいことが起こった。GKのゾン・レイが安田の右胸目掛けて、思い切り飛び蹴りを食らわせたのである。
その後、ウェブ上で蹴られた瞬間の写真を見たが、その昔、マンチェスター・ユナイテッドのエリック・カントナが観客に飛び蹴りを食らわせた「カンフーキック」にそっくりであることに気付かされた。ゾン・レイの足は、ボールを度外視した方向に伸びており、何か「別の意図」が込められたキックであったように思えてならない。
常識的に考えれば、この時点でゾン・レイは一発レッドで退場に処されるべきであった。そして日本には、PKが与えられるべきであった。しかし主審が切ったのはイエローのみ。しかもPKではなく、ペナルティーエリアぎりぎりでのFKという判定であった。かような偏向した判定を下すようでは、ピッチに「12人目の中国人」がいると思われても仕方ない。結局、安田はそのまま担架で運ばれ、羽生と交代することとなった。
中村憲が受け皿となり、山瀬が飛び出し、鈴木はより守備に目を配り、遠藤は展開し、そして羽生は動き回る。中盤で個々の持ち味が発揮されると、中国は受け身に回るしかない。やがて日本のパスのスピードについていけなくなると、彼らは不用意なファウルを連発するようになる。羽生が、遠藤が、そして鈴木が相次いで倒されるが、主審はとにかく試合を流す。Jリーグだったら、いったい何枚カードが乱れ飛んだことだろう。
後半39分には、鈴木が5番のリー・ウェイフェンに突き飛ばされて、一触即発の雰囲気になる(結局、両者に警告)。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/column/200802/at00016418.html