http://www.asahi.com/national/update/0811/TKY200608110338.html
靖国神社に無断で親族を合祀(ごうし)され、追悼方法を自由に決める権利が侵害されたなどとして、日本人と台湾人の遺族9人が11日、靖国神社を相手に合祀の取り消しを求める訴訟を大阪地裁に起こした。神社に戦没者名や死没場所などの個人情報を通知した国にも一人あたり100万円の損害賠償を求めている。原告側弁護団によると、合祀取り消しをめぐり靖国神社が被告となるのは初めて。
合祀をめぐっては、旧日本軍に軍人・軍属として徴用された韓国人の遺族らが01年6月、国を相手に取り消しを求めて提訴。東京地裁は今年5月、「国は通知しただけで、合祀は靖国神社が決めた」として請求を退けている。
訴えたのは大阪府内の西山俊彦さん(71)ら日本の8人と台湾の原住民族「セイダッカ族」の楊元煌さん(51)。
訴状によると、原告の父親や兄、叔父ら11人は40〜45年、中国やフィリピン、沖縄などで日本の軍人・軍属として戦死・病死し、靖国神社に合祀された。宗教上の理由などから合祀を取り消すよう求めたが、同神社は応じなかったとしている。
原告側は、故人をどのように追悼するかを決める権利は憲法で保障されていると指摘。靖国神社が管理する「祭神名票」「祭神簿」「霊璽簿(れいじぼ)」から親族の氏名や祭神名などを削除することを求めている。