竹島と日韓:竹島の日 「その日」、啓発イベントと抗議 /島根
◇知事「国は外交決着を」−−記念式典
条例制定後初の「竹島の日」を迎えた22日、松江市では、県など主催の「竹島の日の集い」と「竹島を考えるフォーラム」の広報啓発イベントが開催された。市内では街宣活動や抗議行動があったものの大きな混乱はなく、イベントは予定通り行われた。【酒造唯、細川貴代、小坂剛志】
県民会館で開かれた記念式典「竹島の日の集い」では、澄田信義知事が「竹島は韓国が約50年間実力支配を続けているにもかかわらず、国の対応に進展はなく、このままでは竹島問題が風化してしまう」と条例制定の意義を説明。国家間の外交での決着や、国際司法裁判所への提訴などを引き続き国へ求めていく考えを強調した。
一方、姉妹提携が断絶した韓国・慶尚北道に対しては「領土問題と自治体間交流は別」とし、冷静な対応と交流の継続を訴える従来の呼びかけを繰り返し述べた。
その後のフォーラムでは、県の「竹島問題研究会」のメンバーら4人が、各専門分野で竹島問題に関する韓国側の主張に反論した。
座長の下條正男・拓殖大教授は、韓国が竹島領有権の根拠としている「東国文献備考」などの資料が後世に改ざんされている点を指摘。韓国の資料では、人の住めないはずの竹島に「86人が住んでいる」との記述があることを述べた上で、「韓国側の主張の誤りを日本がきちんと指摘できる環境を整えてこそ、本当の友好関係といえる」と、歴史を客観的に調査、研究することが日韓友好への道筋になると主張した。
また、国立国会図書館の塚本孝参事は、国際法の観点から竹島問題を検証。江戸幕府が漁民に竹島でのアワビ漁やアシカ漁の許可を与えていたことなどを紹介し、「日本は当時から竹島に国家権力を行使しており、国際法上では明らかに日本の領土」と述べた。
イベントを傍聴した隠岐の島町久見の黒曜石加工業、八幡昭三さん(77)は、叔父が1934年から9回にわたって竹島で漁をした経験を持つ。「竹島は1日でアワビが750キロも捕れるほどよい漁場だった。一日も早く、隠岐の漁民が竹島で漁ができるようになってほしい」と力を込めた。
◇横断幕や声明文、もみ合う場面も−−抗議の韓国男性ら
会場の県民会館前では22日午後1時ごろ、韓国の市民団体の男性5人が「独島は元々韓国の領土だ」と日本語で書いた横断幕を掲げて抗議活動をした。
市民団体「独島有人島化国民運動」の議長という男性は「独島は昔から韓国固有の領土。こんな島根県の啓発活動は意味のないことだ」と拡声機を使って主張。その後、記念行事に参加しようとし、満員のため入場を断った県職員と押し問答になる一幕もあった。
また、会場近くの県庁前では、韓国・ソウル市議の崔在翼(チェジェイク)さんら韓国人3人が「竹島の日」条例に反対する県への声明文を読み上げ、制止しようとする県職員らと一時もみあいになった。崔市議は自分の指の血で「独島は韓国領土」と書いた画用紙大の紙を掲げ、「条例を撤回しろ」などと叫びながらこぶしを振り上げたため、県職員らが敷地内から3人を押し出した。崔さんは「思いを表明したかったが制止されできなかったのは残念」などと話した。
竹島と日韓:竹島の日 「その日」、啓発イベントと抗議 /島根
◇知事「国は外交決着を」−−記念式典
条例制定後初の「竹島の日」を迎えた22日、松江市では、県など主催の「竹島の日の集い」と「竹島を考えるフォーラム」の広報啓発イベントが開催された。市内では街宣活動や抗議行動があったものの大きな混乱はなく、イベントは予定通り行われた。【酒造唯、細川貴代、小坂剛志】
県民会館で開かれた記念式典「竹島の日の集い」では、澄田信義知事が「竹島は韓国が約50年間実力支配を続けているにもかかわらず、国の対応に進展はなく、このままでは竹島問題が風化してしまう」と条例制定の意義を説明。国家間の外交での決着や、国際司法裁判所への提訴などを引き続き国へ求めていく考えを強調した。
一方、姉妹提携が断絶した韓国・慶尚北道に対しては「領土問題と自治体間交流は別」とし、冷静な対応と交流の継続を訴える従来の呼びかけを繰り返し述べた。
その後のフォーラムでは、県の「竹島問題研究会」のメンバーら4人が、各専門分野で竹島問題に関する韓国側の主張に反論した。
座長の下條正男・拓殖大教授は、韓国が竹島領有権の根拠としている「東国文献備考」などの資料が後世に改ざんされている点を指摘。韓国の資料では、人の住めないはずの竹島に「86人が住んでいる」との記述があることを述べた上で、「韓国側の主張の誤りを日本がきちんと指摘できる環境を整えてこそ、本当の友好関係といえる」と、歴史を客観的に調査、研究することが日韓友好への道筋になると主張した。
また、国立国会図書館の塚本孝参事は、国際法の観点から竹島問題を検証。江戸幕府が漁民に竹島でのアワビ漁やアシカ漁の許可を与えていたことなどを紹介し、「日本は当時から竹島に国家権力を行使しており、国際法上では明らかに日本の領土」と述べた。
イベントを傍聴した隠岐の島町久見の黒曜石加工業、八幡昭三さん(77)は、叔父が1934年から9回にわたって竹島で漁をした経験を持つ。「竹島は1日でアワビが750キロも捕れるほどよい漁場だった。一日も早く、隠岐の漁民が竹島で漁ができるようになってほしい」と力を込めた。
◇横断幕や声明文、もみ合う場面も−−抗議の韓国男性ら
会場の県民会館前では22日午後1時ごろ、韓国の市民団体の男性5人が「独島は元々韓国の領土だ」と日本語で書いた横断幕を掲げて抗議活動をした。
市民団体「独島有人島化国民運動」の議長という男性は「独島は昔から韓国固有の領土。こんな島根県の啓発活動は意味のないことだ」と拡声機を使って主張。その後、記念行事に参加しようとし、満員のため入場を断った県職員と押し問答になる一幕もあった。
また、会場近くの県庁前では、韓国・ソウル市議の崔在翼(チェジェイク)さんら韓国人3人が「竹島の日」条例に反対する県への声明文を読み上げ、制止しようとする県職員らと一時もみあいになった。崔市議は自分の指の血で「独島は韓国領土」と書いた画用紙大の紙を掲げ、「条例を撤回しろ」などと叫びながらこぶしを振り上げたため、県職員らが敷地内から3人を押し出した。崔さんは「思いを表明したかったが制止されできなかったのは残念」などと話した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060223-00000222-mailo-l32