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No.11576
Film Love is over   〜♪
by  〜♪ from バンクーバー 2019/03/25 09:59:14



       奥日光の夜


 #1 「 純愛 」   
  

彼が東京を発ったのは今朝の昼近く、目指すは奥日光と決めていた。
彼は何時しか、ガラ空きの電車の座席に横たわり、昨夜の寝不足を取り返したいその思が強かった。
あの子猫(ミーちゃん)今頃何所を、さ迷っているのか!
もしかしたら裏庭の何所かに潜伏し、隠れている心算なのかも!
それとも何時もの癖で、高い樹に登り、屋根に移り昼寝でもして居るのか!
「怪しからん」
それにしても私にとり、可愛い子猫なのだ!

先ほどから、車内で人の小声が何所からか聞こえて来ていた。

「そうですか」 「 日光の伯母さんの所に 」。

「学生なので、暫く伯母さんのお店に手伝いに行くところです」!

「いいですよね、学生さんは」

彼はふと、この会話の声に、聞き覚えがあるような気がして来た!
彼は更に耳を澄ました!〜〜〜 確かに!

「 まさか 」 と一瞬、彼の何所で、何か変化を感じていた!

彼も、今ではすっかり目を覚まし、ややゆるい動きで寝返りをした。
暫くして、益々その予感に、彼は息苦しさえ感じてきた。
彼は静かに、顔に乗せていた帽子を取り、それを手にして、座席からゆくり起き上がった。

外は眩しいばかりの昼間の太陽が窓から差し込んでいた。
今は激しく流れる外の景色に目を移していた。
暫くして、隣の方から、先ほどの小声が再び聞き取れて来た。 

漸く、彼も勇気を振り絞り、隣の座の方にゆっくり目を移した。
彼はその聞き覚えのある人物と目が合った。
その一瞬、二人の目は釘就けになって居た。
動きも止まったままだった! 

その後、暫して二人は漸く挨拶を交わした。
その後彼女もこちらの座席に移って来た。

「暫くぶりですね」!

彼女「暫くぶりです」と、お互いに言葉を交わした!

その時彼の発したその言葉が、後になり彼自身何と擬古地なかったと後悔していた。

今日はこれから奥日光を目指しています、と彼は話を続けた。
出来ればその後、奥日光の湯元当りまで出て、近くの牧場辺りをハイキングーしたいと思っています。
ただ、未だ決まった目的地はありません。 

一人なので、今日は気ままな工程です!
たぶんその当りに光徳牧場が有ると聞いていました。 
出来ればその辺りを散策してみたいと思っています。

え〜、光徳牧場ならば、以前聞いていました。 

彼女の方から話を切り出さないので、彼は人り喋り続けていた!

ところで、貴女は今日は何所に行かれる予定ですか!
漸く会話を彼女の事に切り返す事ができた。

「今回も日光に住む伯母の所に行くところです」。
伯母の土産屋さんのお手伝なのです。
学生なので時々そこでお手伝いして居ます。
「 〜〜〜〜 」

所で貴女はその後、運動は続けていますか!
そうです、あの東京での国体( 全国国民体育大会 )の後です。     

とめどもなく、二人の会話は始まって居た。

久しくーーー、偶然とは、言え1年半ぶりの二人の再開だった。
高校三年生以来の二人の出合いだった。

こんな所で突然!
だが、何時もながら彼女の方から話しは未だ聞かれなかった!
あえて言うなら、何時もながら控えめな彼女の性格なのだろう。

何時しか、電車は日光の駅に近着いていた。
その時になり、今度は急に彼女の方から彼に質問をして来た。

「は〜」彼から聞き返していた。

「私も、行って見たい〜と」!

暫くして、〜〜〜 お邪魔かしら!
「一度伯母に聞いてみたいと思います」珍しく、今度は彼女の意志が彼の耳に鮮明に響いて来た。
電車を降りてから「ダメならいいのですよ、と」彼女の声が今度も彼の耳に鮮明に返って来た。

そんなことはないですよ!と、彼は即座に彼女に返事を返した。
だが、彼自身は未だ確実に、YesかNoかを、判断出来ないでいた!

今回のこの計画は彼自身にも、可なり複雑と思え、今も迷って居た。
安全だと言う確信は彼にしても、未だ出せないでいた。

まず、未知の湖畔の山道であり、問題は明らかに無謀とさえ思える夜間の行軍である。
行く先は、戦国ヶ原の高速道を越え、奥日光の湯元までの長距離なのである。
その事は、電車の中で既に彼女に詳しく話していた。
まだ、未定の行動が複雑に重なっている、まず、この湖畔の対岸まで、これよりボートで渡り、山道が有るかどうかである!
地図上には細い線で確認できた程度だった。
この時間に、深夜の夜道を確実に進めるかどうかも不十分だった!

最低でも、山歩きのプロならば知恵として、もし万一何かが起った場合、彼らの後から誰か人が来るであろか!
その可能性を予想しておく余裕があるか!
未だ、彼はこれらの難題を自信を持って、彼女に約束出来ないと迷っていた。

一応彼女の伯母とも会い挨拶の後、彼はゆっくり広い旅館の裏庭を巡りながら思案に暮れていた。
暫くして、彼は再びキャフテリアーに戻り、彼女と伯母との話を、お茶を飲みながら彼女らの話を聞いた。   


 
#2 伯母の説解


言葉少なくも、初めて彼に見せた、これまでにない彼女の意志の強さと!
それが、今の彼女に秘められた「女ごころ」なのだったと!「ふと彼は初めて気着いたのだった。      

一応伯母にも、彼とは長年の故郷の友で、幼少の頃からの同級生だったと話していた様だ。
それに国体にも数回二人は四国代表で出場し、彼は優れた運動家だとも伯母に話していた。
 
彼自身もこれからの彼女との戦場ヶ原行きの夜道は、可なり強行軍になると予想できると前もって説明しておいた。
それに、中禅寺湖の対岸の山道の確認もあり、戦場ヶ原への夜の高速道路の安全性に付いても気になると、彼女に再度指摘しておいた。 
又、夕暮れの湖畔は少しの風でも、沖は危険な事態の変化が想定が必要だと承知して欲しいと話した。
それらの難題は、彼女にとり余程の決意だったのではと、彼は驚く程だった。
その意味で、彼女自身の現在の心の内を推察するに、彼女が余にも可哀相だとも彼は反省していた。
もし、予想が的中すれば、現実はそれ以上に怖い荒波と強い風と打ち寄せる飛沫に変わる。 
さらに寒さと、荒れ狂う高波の飛沫に彼女は、暗い闇に恐れさえもと、彼女の惨めな顔も想定できた。



#3 夕方、湖畔を周り再び引き返す     (二人の世界) 

               
いよいよ彼は対岸に向けボートを漕ぎ出した。
今は先ほどの彼女の不安な顔を再度想定していた。

それにしてもよく彼女の伯母は彼女をよく理解してくれた。
それだけでもても、彼の内心はホットしていた。
今は夕暮れの湖畔が何処までも凪ぎているかに思えていた。
だから彼女の先ほどの暗い面影は、次第に凪ぎかけていた。
だが、彼自身に安堵の気にはなれなかった。
今は風も無し、湖面も蒼く見えるが、黒い水探はあくまでも無色透明に透き通り湖底は黒く沈んでいた。

だが、少しの風でも湖畔の荒れは侮れない!
一端上空の気圧の変化で、風に変わり、予期せぬ湖面は急に荒れ狂う。
その筋のプロでも夕方の湖上は予想が外れ、湖の沖では予想も付かないほど荒れ狂っている。
だから、夕暮れの湖畔は、少しのj風でも沖は危険だと再三彼女を脅かし気味に伝えていた。
彼には今回の彼女の意志が、余程の決意の末だと、初めて理解に及んで来た。

日も暮れて来たので、今は順調に湖畔を渡れればと、彼はただそれだけを願っていた。
だが、遥か前方の暗い沖では、荒れて居ると彼は次第に感じ始めて来た。
彼女は今は静かにボートの行方を見守っている。

彼も再度なぜ故に彼女がこれまでに決意したかを聞きたい思いだった。
だが、その事は今は遇えて避けていた。
いよいよ湖の中ほどに差し掛かる頃には、彼女の掴むボートの淵手に飛沫で濡れ初めていた。

風も出て来た!

彼はただ静かに向かい風に向け、ボートを力いっぱい漕続けていた。

何とか対岸が近着いて来た様だ。
漸く、これまでの静寂を破り、彼女の声が彼に聞えて来た。

「岸だわ」!向う岸が見えてきた。
彼女の嬉しそうなその感情が、一際熱く彼にも伝って来た。
岸に着くとボートを岸の小枝に繋ぎ、彼はこの小道の先を確認すると言い、直さま駈け出して消えた。                   

二人の乗ったボートは再び岸を離れた。
彼は即座に、あの小道は確かに地図で再確認している!
だが、少し気になることも有るといい〜〜彼はそれ以上は口をつむった。
何故ならば、これ以上の不安は、今は避けたいと判断したからだった。
それでなくも、これからも不安な風が出そうだと言うのを避けていた。



#4  向かい風 


まずい! 彼はそう判断した。
常識だと夕暮れには一時風は止み、無風に変わる。
矢張り湖を突き進むにつれ、風は向かい風に変わった。
やがて10分も漕ぎ出した頃には、荒れる前兆と思える高波か飛沫に変わり始めた。、

彼には今は「その心配さえ考える事はこれ以上無用と判断した。
彼は力限りに漕ぎ続けていた。

やがて、彼に安堵の気配が感じられた。
先ほどまでの湖面を走る強い風が、運よく小高い山陰にさえぎられ風は凪ぎで来たのだ!

やがて湖の中央に近着く頃には、彼は漸く彼女に話しかけていた。 
「貴女は泳ぎは嫌ではないですよね」!

彼の笑顔に答える様に「私は今は泳ぎは好きです」。

「 そうですか! 」
「今回は、あなたは余りボートは好きな様に見えませんでした」

「いいえ、 今は好きです 」
彼女は「今度はきつぱりと答えた」

彼はそれに反応し「あなたは一度水が怖いという経験が有りましたか〜!

「 そうです 」!

私も一時期、水を恐れた経験は有りましたよ!

今度は彼が陽気気味に、いや〜私は今では「水泳は、飯より好きなのです」
「水泳の時間になると、食事よりも、水泳を選びます」

貴女と同じ田舎なので、瀬戸内海も近く、夏になれば、近くの山池で毎日の様に泳いでいました!

実は最近ですが、私は大学の選択課目に教師用の運動の課目の水泳、スキー競技の種目を選んいるのです。
その為、大学のキャンプで最近まで参加していました。
え〜え中学、高校教師用の科目のそれです。
志願者はその筋の兵ばかりでした。
 
これまで無口だった彼女が!
どの様な内容の課目が主に含まれるのでしょうかと、彼に質問に回った!
「私も大いに関心があります」。

次には、教えて欲しいと、前向きの意見が彼女の方から飛び出してきた。
え、え2〜3科目が主な選択課目です。
まず、水泳技能実技と、日本古来のこれも技能ですが、泳法の形のテストです。
立ち泳ぎとか、二段泳法などです。
それは片方から、同じ腕を2回程使い腕で漕ぐ連続の泳法です。
後は、競泳ですので、時間で点数が判定されます。

あの時は我々の大学キャンパス内の50メートルプールで、一週間近く駈け行なわれました。
勿論、水泳部や水球部の部員も参加しています。
中には競泳大会出場選手もかなりいました。
総勢役180名から200名少しだったと思います。                           

私自身も水泳部員ではありませんが、まずまずの成績でしたよ!
そうそう、私自身でも驚いたのですが!
潜水泳法の種目で、私は記録を出しましたよ!
プールに飛び込み、私はなかなか水面から浮かんで着ませんでした。
確か80メーター程沈んだまま潜行で移動です!

「あら〜」 「 そんなに長く」!
「そうなのです」 彼は真面目に返答していた。

続けて彼女が彼に聞き返した、なぜそんなに長くあなたは潜れたのでしょうか!

彼答えて「 恐らく中学、高校を通じて、体操部に所属していたのではないかな!
それに体操部は腹筋や、背筋力、胸部の強化運動が主なので、又、特に肺が強く、空気の排気力が普通の人より少し強いのでは!
彼は今度は彼女に「貴女もスポーツは万能タイプに見えるので、恐らく貴女も水泳に向いていると思って居ましたよ。
え〜え本当は水泳や、ハイキング等は大好きなのです。
実は、幼い頃近くの小川で泳いでいて溺れかかり、それ以来少し怖くなっていたのです。
何時の間にか先ほどの彼女の暗い顔を、彼もすっかり、忘れかけていた。       

その夕方 彼らは一度街に引き返し、伯母の経営する旅館に帰り付いた。
食事の後も彼女は彼との動向を伯母に説明していた。

彼女の思い切った決意と思える判断で、二人ならば安全だと伯母に告げいるのを、彼は近くで聞きとっていた。
言葉少なくも、伯母の忠告をも押し切るかの様子に、又、しても 彼女の強い意志を彼は確認したかに感じていた。
彼女の弱々しい話し方だが、意志は変わりそうにないと、伯母もそれ以上彼女の思いを拒む事はしなかった。           



#5   二人の世界 ( 徒歩で湖畔回り ) 

                                       
伯母の経営する旅館に帰り、二人は食事を取りその後も彼女は彼からこれからの動向の説明を聞いた。
言葉少なくも、二人ならば安全だと、伯母の忠告も押し切るかに、彼女の強い意志を彼は再び確認したかに感じた。
彼女の弱々しい話し方だが、意志は変わらないと伯母もそれ以上彼女の決意を拒む事はしなかった。
                                       
それでも最後には伯母の見送りを受け、二人を送り出してくれた。
だが、伯母の内心は彼には計り知れないが、勿論彼女の身を案じて一抹の伯母の不安も彼にも残されていた。    
やがて、彼女も身の回りの支度を始め、彼の目には、いそいそと落ち着かない彼女の様子に見えていた。
それもそうだろう、幼友達とは言え、今では若者と二人で、しかも危険も伴う夜行の強行軍と思える計画なのだ!

暫く進んだ後、既に夜も少し更けて来ていた。
彼はこれから進むその道のりも、正確に把握している訳でもなかった。
ただ、誰の目にも、この二人ならば健脚には疑う余地はないであろう。
二人は大きく湖畔を蛇行して進み、いよいよ山麓に差し掛かっていた。
だが、ここまでは地図上と同じだと、彼にも確信は出来ていた。

湖畔のどこかから奇妙な音が聞こえて来た、その音は時々彼女を刺激しているかに彼は感じ始めていた。
彼「いや、あの音は恐らく水中に浮かんでいるドラム缶から出てる音で、それが水中の岩に当る度に薄気味悪く響く様だ、心配無用と彼は軽く彼女に告げた。

先ほどまで雲間から地上を射していた月がしだいに薄れ、小粒の雨に変わって来た。  
彼は重たく感じる低い夜空をみあげた。
その事は彼にとり一抹の不安が増していった。
その一つには小雨に変わりかけていた事、もう一つは彼に取り重大で、彼自身も消沈するかの思いであった。
マズイ、予期せぬ難題の直撃に、暫く迷いが鮮明に彼を苦しめ始めていた。
これまで二人で歩んできた小道が、雑草や砂利地に変わり、今では完全に小道から外れていると彼の決意に追い込んだ。
ここまで進んで来て、その方角に漸く彼は判断の見誤りと気がついたのだった。
小雨の道なき流れを渡り、大きな岩を周り、時には彼女の手を取り流れを渡った。
その先もかなりの流れに変わった。

勿論彼女が照らしだす海中電気も、ひ弱い光が次第に消えかけて見えた。

そこで、彼は「 御免 」 ヤバイー!
我々がこれまで進んで来たこの小道は、これで中止すべきと彼は判断した。
そこで彼女にその事情を説明し、君はここで少し留まって居て欲しい!
私がもう一度この登り坂の向こう側を確認して来る、とだけ彼女に告げ、暫くここで待つていて欲しいと、さらに先に一人で進んだ。
時間はかけない、直ぐに引き返して来る。
少し先のその小高い山を目指し、彼は一人周り始めた。
登っても、登っても岩場が続き、更に上からは、川の様に水が流れ落ちて来た。

仕舞には小雨の道なき滝を登る事になった。
だが、これ以上の前進は更に迷路に進むと彼は決断した。
「この先は進めない」!
直ぐに彼女を待たした所に引き返し、この辺りで中止にし様と彼女の説得に切り替えた。

君はこれから先の行動を、どの様に思いますかと彼女に訊ねた。!
何故か、彼女には未だ続行を続けたい様子と彼は判断できた。                   

ですが、君に悪いけれど、これから先は進めそうにない、その事情を彼女に告げた!
少し間をおいて、彼女は落ち着いた様子で、彼女はその気持ちを彼に打ち明け出した。

多分これまで進んで来たこの方角は、どこかで道を反れた様に思うと彼女も言った!
彼女の惨めな素顔が、すっかり彼の記憶から消え去っていた。


解るよ、君の言う事!
だが、これから先は益々視界は限られ、この先は更に深い山道と思うけれど!
それに、もし何かが起るれば、山間部はより危険が伴う予感がしないでもない!
兎に角そうなれば何所からも助けの人の可能性はないだろう!
それと、山間部の視界は、都会の明るさとは比較にならない程、一寸先も見えない真の闇の世界に変わると思う!  

※念の為に; 深い山間部の闇夜は、この際怖いと伝えていた方が正解であろう。「鼻先さえも突るまで、ワカラ〜ない」
  時には夜釣りでボートを離れ返って来ても、道も、方角も、一センチ先も見えない。
  何故ならば田舎でも、都心ならばなおさら上空1000メートでも薄く光は射している。

もし、小道を見つけても、この懐中電気が不能になれば、それだけでも我々はパニックに陥る。
彼女は直さま、彼の意見を理解した様子だった。

又、しても先ほど来た湖畔の小道に沿い、二人は引き返し始めた。                     
暫く二人の会話は途絶えたままだった!  



#6   戦場ヶ原 ( 夜行 )


更に二人は歩き続けていた、突然今度は彼女から、彼に話しかけてきた。

「 聞いてもいい〜」!

ハイ〜、ハイ〜、何なりと〜! 彼は彼女に気使い、あえて陽気に彼女に反応していた。
今回のあなたのこのプランは、どの様に案を進めて来たのですか〜と!    
彼「 うわ〜、出ました貴女の厳しい質問が 」!

そうだね〜!
何所から貴女に始めればいいかな〜!
まず、僕の趣味の一つに、旅行があります。
旅行と言っても、急行は使わず、殆ど地方巡りには、まずドンコ(各駅停車)列車を利用します。
昨年の冬は、お正月の頃、冬場の東京を出発し陸中海岸を目指し北に進み、真冬の出羽三山を周り散策し、更にドンコで裏日本を西に下りました。

序に部活の親友を頼り、富山で暫く居候しのんびりしました。
彼は三菱系大手企業に勤務していました。
更に福井の永平寺を回り、四国の田舎で小休止。更に高知の足摺岬に足を伸ばし、辿りつく頃には、椿の満開の頃でしたよ。 
学割とストップの度に宿泊、食事代は相手様が世話してくれましたし!

※ 日本は世界でも稀に見る最高の国柄と言える「四季に恵まれている」事、東京、裏日本が小雪の季節に指宿辺りでは菜の花が、土佐の足摺岬には椿の満開が見られます。
  なので、春この頃の旅行者は南から、北に上る様です。
すなはち、今回は真冬の北陸に上り、そこから吹雪の裏日本を南下し、椿の満開の四国までの長旅です。
日本のこの早い季節の旅人は、南から北上が始まり次第に北に登ります。
                                                           
私は大雪の秋田から逆に南に下った訳です。
真冬の北陸の生活を体験したく企画した訳です。

こう言う珍しい体験も有りました。

彼女「 聞かせて下さい、ぜひ 」!

秋田県を過ぎた夕方、6時ごろかな!
各駅停車なので地方の人々が乗り降りの客が殆どでした。
通路を隔てて若い娘さんと、その母親と話をする機会がありました。

当然とは言えこの季節の珍しい学生の一人旅の私と話が弾み、私は彼らの招きで途中下車し、その日の夕は彼らの家に招かれましたよ!
その夕は、その家の親父さんの家族と食事に招かれ、勿論この季節の裏日本の生の生活話を聞かせてもらいました!
以前、国体( 国民体育富山 )大会で民宿の10日あまりお世話になった思い出の経験もありました。
当時、地方の田舎には未だホテルは少ないので、魚屋さんで民宿でした。
お手伝代の主婦、又、青年部の方々に何かとお世話になりました。
二人の話は止め度もなく続くかの様だった。

彼女「楽しそうな思い出がたくさん有りそうですね!

彼「 エ〜エ〜靴下が見えないと思えば、既に婦人会の伯母さん達の手で洗濯竿に干してある。、
食事の後は真剣な体操の全国大会なのに、婦人会主催の指導で、富山の有名なお盆踊りの練習も教えてくれました。。
食事に付いて語れば切りがありませんが、富山の近海で採れた魚介類の贅沢な食事のサービスでした。  

さて、本題に返り、八丈島での夜釣りや、紀州半島で途中ドンコ列車を飛び降りし、太平洋でつりの旅。

時には、田舎に帰れば近状の子供達が集まて来るので、例の小さい子供から大学生を連れ出し、自転車で国道を一列で走り、瀬戸内海に出て漁師の伝馬船を借り出し、子供達と船遊びと沖に出ましたよ!。
貴女も私の同級生だったので、私の勉強嫌いはご存知と思いますが!

まず本題に帰れば! 以前日本のT.Vの番組で、庶民に大人気番組で、ある知名度の有る俳優さんの提案で、テイーン対象に男子ならば、夜道の墓場を一人歩き、水泳なら2キロを泳げる事と。

彼女が「 エ〜以前その様な人気番組があったと聞いていました 」
「 あれですよ 」と爽やかに彼が彼女に返答していた。
二人の会話は取り止めもなく続いていた。

暫く小雨と霧の中、戦場ヶ原に向け高速道路縦断を直行していた。!
華厳の滝近くの湖畔を二人が出たのは既に、暗くなっていた。
先ほどの二人の不安も何時しか遠のき、今では、今夕の苦労感は既に忘れたかの二人だった。

しかし今夜は何か楽しい事が有りそうな夜行走破のチャレンジで、何故か二人は浮き立つ思も感じていた。
ここから約6Kmで戦場ヶ原に出る、そこから更に3Km進めば漸く奥日光、湯元湖に到着の予定である。

そこから少し引き返し、最終目適地の光徳牧場には明朝には辿り着く。
予定ではこれと言う問題がなくスムースに行けば、無理のない日程になると、今では彼女も安心の様だと彼もそう確信していた。
彼の希望ではこのまま高速度道路を通り、戦場ヶ原を夜中に通過すれば、早朝の奥日光、湯元湖に到着を想定していた。
あくまでもこれは彼の希望であった。
今後も、お天気ならば、その湖畔で暫し休憩をとり、さらに早朝の朝日に向け進めば例の牧場に着く。
だから時間的には余裕は十分あると、彼女も了解していた。
昼間ならばこの辺りは多くの写真家や、ハイカーで戦場ヶ原は多くの人で賑わっているだろう。
ただ、雨か、霧になれば条件は大きく変る。
ここは既に海抜1500M近く、夜間になればこの季節でも、地上より、7度からそれ以上気温は下がる。     
その為の防寒ぎも二人は装備していたので、全て旨く行く予定であると、二人思いは安心ムードに包まれていた。           
※ 手袋をお勧めします。

貴女は寒くはありませんか!少し冷えてきましたね!
エ〜エ〜寒くはありません。

このままこの高速道路進を進めば、間もなく戦場ヶ原を夜中に走破し、そして早朝の奥日光、湯元湖に出られる筈です。
今宵は少し冷えてきましたが!その分霧も晴れ、次第にかすかに雲間から僅かな光が差し込んで来ていた。
                                                      

その光は高速道路を歩む二人の前方を照らし、今では遠くまで広がっていた。   
彼にはその現象が実に神秘的と感じられ、彼はその月の毀れる光を追っていた。
やがて、その光が高速道に沿つた湖畔一面を幻想的に広がり、何所までも続いているかにさえ思えるのだった。

そこは、いつの間にか二人は戦場ヶ原を突き進んでいた。
突然彼が、ここは既にな戦場ヶ原に来ていると彼女に告げた。
彼「 この戦場ヶ原という地名は、山の神がこの湿原を舞台に争いを繰り広げたという伝説に由来している、そうですと! 」。 
彼「 でも、この辺りで戦乱はこれまでなかったそうですが!」 



#7   二人の世界 ( 湖畔の朝 )


やがて2人はいつしか戦場ヶ原を過ぎ、早朝の奥日光、湯元湖に近着いていた。
湖畔と思える辺りで、漸く道を折れ二人はゆっくり細い道を進んでいった。
幾本も分かれた小道を更に進んでいると、突然目の前に強い光が二人の目を射した。
同時に彼女が大きな声で驚きの声をあげた。
暫くして、その光の方角から二人に話しかけて来た。
君達は釣り人ではない様だねと、言う。

管理人「 私はこの池を管理しいる者で、5時前の解禁時間の釣り人を見張っている者だと解った 」。
それにしても2人共驚いた。
湖畔に近ずき、散歩をしている内に辺りはすっかり明るくなり始めて来た。
二人はピクニック、テーブルを捜し、彼女の伯母さんが二人に持たしてくれた暖かい飲み物とスナックで時間を過ごした。

やがて待ち侘びた薄日が、近くの小枝から漸くテーブルに差し込み、湖畔の冷気も漸く緩んできたとお互いに頷いずいた。
ここまで進んで来た事に、2人は漸く安堵の気に落ち着を取り戻していた。

それにしても、昨夜からの二人の慌ただしくも苦難とも言える昨夜の道のりは、彼のみ出なく彼女に取っても悪夢の様な強行軍であった。
今では2人共反省に陥っているのか、暫く会話さえ始めていなかった。

これから先は、ほんの数時間だと二人で再度頷ずいた。

何か他に貴女の希望はありますか!
初めて、会話らしい会話になってきた。

彼女は急に伯母さんの話に切り替え、ほんとならば、2人は無事湖畔に辿り着いた、と伯母に知らせたいと思っている事が彼にも伝わってきた。  
暫くして彼にも、何故か彼女が無口で静かなのか、漸く気ついた。

昨夜の気苦労や身体的疲れはまるで忘れたかの様に、今は彼女の眼も穏やかで、幸せそうに彼の目に映っていた。
それにしても、あれほどの困難に耐えられる彼女が、彼には想像以上の女性として、又、これまでスポーツで鍛えて来た彼女の精神力も頼もしいと改めて頷けた。
恐らくこれ程までに過酷な環境は一生の内でも、それ程頻繁には有り得ないだろうと、彼自身にも無いだろうと反省していた。

漸く彼自身も、二人で掴んだ幸せではと、ふとそう思えて来た!

これらの出来事は嬉しと思う熱い気持ちに変り、彼自身も何だか幸せだと感じて来るのだった。  



   いよいよ 〜 ご期待ください   〜 ♪



Res.1 by  〜 ♪ from バンクーバー 2019/04/01 11:44:46


いよいよ 本番です
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