カナダ社会を震撼させた女性 出所後も更生を疑う声
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無回答 2005/12/06 22:13:30
ことし7月、カナダの新聞、テレビ・ラジオは12年間の刑期を満了し、出所したカーラ・ホモルカさん(35)を派手に扱った。理由は連続レイプ魔の前夫ととともに、15歳の少女ら3人を性的虐待し、殺害したという、その罪状のショッキングさに関係している。12年間という短い刑務所暮らしで、彼女は本当に更生し、二度と社会に危害を加えないのか。12年前、カナダ社会を震撼させた凶悪事件は、彼女の出所後も、忘れ去られるどころか、今でもメディアの関心を集めている。
カーラさんは1987年、17歳のとき、ポール・バーナードと知り合い、その後結婚した。ポールは、この頃既にカナダのトロント周辺で密かに連続的なレイプ事件を起こしていた。カーラさんが、夫が連続レイプ犯として知って結婚したのかは不明だ。動物クリニックに勤務していはカーラさんは90年に、院内から動物用の麻酔薬を盗み、15歳の実妹をアルコールに麻酔薬を混ぜて眠らせ、ポールとともに妹を性的に虐待した。妹は、その後吐いたものがのどをふさぎ、死亡した。
翌91年には、二人は誘拐した少女を自宅に監禁し、性的に虐待したうえ殺害。遺体を切断してコンクリートにひたし、湖に投棄した。92年にも、二人は15歳の少女を誘拐し、暴行したうえ殺害、遺体をオンタリオ州の溝に投棄した。二人は虐待の模様をビデオに撮ったりしていた。二人は93年に離婚したが、その後二人は、3件の性的虐待、殺害事件で逮捕された。カーラさんは、ポールの強い影響を受け、犯行に加わったとみなされ、検察との間で司法取引が成立。この結果、罪が軽減され、12年の刑を宣告された。前夫のポールは、終身刑に処せられ、現在も服役中。
7月の出所前、カナダの裁判所は、カーラさんに対し、出所の条件として(1)警察に居場所を連絡する(2)前夫ポールとの面会の禁止(3)16歳以下の子どもとの同席の禁止――などを科した。出所後、カーラさんは、カナダの一部のメディアのインタビューに応じた。その中で、実際は犯行に主体的に加わったのではないかとの見方を否定。また「真に自由にはなっていない。自分は、常に内なる刑務所にいる」と、事件を悔やむ心情を打ち明けた。
カーラさんは刑務所では模範囚だった。獄中で大学の心理学の学位も取った。自分はもう社会にとって「まったく危険ではない」と話すカーラさん。しかし、カーラさんが、妻殺しで終身刑を受けて服役中の別の男性と、獄中で知り合い、“恋愛”関係にあるともいわれている。こうした中、ケベック州の裁判所は先月末、「過去12年間に及ぶ更生で、再犯を犯す可能性は低い」として、出所前にカーラさんに科されたすべての条件を解除する決定を下した。これに対し、犠牲者の遺族が反発し、検察側は上訴する方針だ。出所条件が解除されれば、どこにでも自由に行くことができ、服役中の“恋人”とも自由に面会ができる。遺族や関係者は、「カーラは再び犯行を起こす可能性がある。時間の問題だ」と話している。
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