「アベ、おまえの国民を場所を問わずに殺戮する」「日本にとって悪夢が始まる」――。
ナイフをかざしてカメラに向かう覆面男の言葉は、憎悪にあふれていた。
後藤さん殺害映像は、日本人に向けた「恐怖の警告」だ。世界中に散らばっている“シンパ”に日本人を狙った無差別テロを呼びかけた、と受け止めるべきである。
「イスラム系テロ組織がこれだけハッキリと日本を名指ししたのは初めてです。日本人はイスラム国への空爆に直接参加する米・英・仏・豪などの国々と同じレベルでテロに狙われる危険度が高まったと覚悟した方がいい」
特に危険なのは、海外の日本人だ。
海外に進出する日本企業は年々増加の一途。外務省によると、海外在留邦人の数は約118万2000人に上る。海外の日本人はこれまで以上に国際テロの脅威から自分の身を守らなければいけない。
「イスラム国の“シンパ”の特徴は事前に綿密な計画を立てず、思いつきでテロを実行すること。未然に防ぐのは難しく、アジアのリゾートではしゃいでいる日本人を見かけただけで、通り魔的な犯行に及びかねません。この短絡志向は今回のメッセージを受け、われ先にとテロを起こす危険性と結びつく。イの一番に日本人を襲えば世界中の注目を集めますからね」(黒井文太郎氏)
イスラム国のシンパには西洋系の白人も多いし、中国人までいる。テロリストかどうか、見分けるのは至難のワザだ。
「日本人の中にもイスラム国に感化された人がいないとは断定できない。秋葉原の無差別殺人のように、自殺願望を持つ若者がテロに走る危険性は捨てきれません。ましてや日本のセキュリティー体制は脆弱です。海外では空港の入管に銃の携行者がいるのは当然だし、外国人には新幹線に荷物検査がないなんて信じられないでしょう。観光施設のテロ対策もスキだらけで、国を挙げて“さあ、やってくれ”と言わんばかりの惨状です」(青森中央学院大教授・大泉光一氏=危機管理論)
もはやテロは対岸の火事ではなくなった。その自覚が日本人に求められている。
出自:
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156900/2
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