【台北=田中靖人】日本政府が集団的自衛権の行使容認へ憲法解釈を変更したことに対し、台湾では
当局や「知日派」有識者の間でも支持が広がっていない。
日本の新方針は「台湾有事」に来援する米軍への効果的支援を可能にし台湾の安全にも寄与すると
みられるが、歓迎の声は小さい。閣議決定への誤解に加え、日中間の対立に
巻き込まれる懸念や安倍政権への偏見が背景にありそうだ。
「集団的自衛権はアジアの安全を破壊する」「反動安倍政権を打倒せよ」
台北市内にある日本の対台湾交流窓口機関、交流協会台北事務所(大使館に相当)前で7日、
反日デモ隊約100人が声を上げた。一部は安倍晋三首相の肖像を破り捨て、火を付けた。
台湾大で5日にあったシンポジウムでも知日派とされる識者3人が「日本は平和憲法を捨てた」
「安倍首相は軍拡競争のパンドラの箱を開けた」と批判。馬政権で安全保障担当の高官を務めた一人は、
台湾有事は「米中の直接対決で、日本の集団的自衛権は重要ではない」と切り捨てた。台湾紙の中国時報
は、日本が「専守防衛」から「先制攻撃(主義)」に転換したかのような見方を紹介した。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140711/chn14071108260003-n1.htm