政府は20日午後、従軍慰安婦問題への旧日本軍の関与を認めて謝罪した1993年の河野洋平官房長官談話の検証結果に関する報告書を、衆院予算委員会理事会に提出した。
報告書は(1)談話作成時に韓国側と文言調整していた(2)元慰安婦とされた女性への聞き取り調査では、事後の裏付け調査を行わなかった−ことを明記した。
談話発表の直前に、日韓両政府が文言調整の事実を対外的に非公表とすることで一致していたことも明らかになった。
政府は4月下旬から、菅義偉官房長官の下に設けた有識者5人のチーム(座長・但木敬一元検事総長)で談話の作成過程の検証作業を実施。当時の資料などを基に調べた。
20日の予算委理事会には加藤勝信官房副長官が出席し、報告書の内容を説明した。
安倍政権は、日韓関係の改善を重視する立場から、談話の内容は見直さない方針。
菅長官は20日の記者会見で、河野談話に関し「継承するという政府の立場は変わらない」と改めて強調した。
ただ、韓国側は検証自体が談話の見直しにつながる動きだとして反発している。
今回の検証結果を受け、さらに日韓関係が冷え込む可能性がある。 (2014/06/20-16:45)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2014062000559