日本の統治 その2
by
大国主 みこと
from
日本 2014/05/19 18:22:29
日本の統治 その2 2014.05.20 大国主 みこと
No529その1では直接民主主義統治は、著しく多数の特権者たる立法権者を設けて抽選(くじ引き)により就任させ、利権団体の活動を封じ込める考えを述べた。
行政府の長の責任において提出する法案を、立法権者1千万人が侃々諤々と審議するは現実的でない。法案は国民官と称する100人が部会を設け審議する。国民官はある程度の専門知識を有する国民からこれまた抽選して就任する。国民官は立法権を所有せず審議だけを行い、この審議結果を立法権者が採決する。
さて、審議過程や結果を立法権者に逐次知らせる役割はマスコミが担う事になる。ここで利権団体がマスコミを牛耳り、利権団体の利を得る如く世論操作の情報を流すと、この統治も間接民主主義統治と大差ない結果になりかねない。
そこでマスコミには、法廷の宣誓「真実以外の何事も述べません」と、その違反に行政罰(当該事業体の解散命令)、時には経営者、編集者の刑事罰も辞さい法を必要とする。
且つマスコミが自らの媒体を通じ、自ら事業体の意見を述べるのは、検事が検察調書に自らの意見や推測、捏造を書込むに等しい、との職業倫理を徹底する必要がある。勿論、事業体の従事者が他の媒体を通じ、及び何人も個人名を明記し主張する自由は保証する。
立法権者は期間を定めて就任するため、何時就任するかも知れない全国民は政治的成熟(反対や評論するだけでなく、国民官の審議、他の情報から判断する能力)が求められる。情報に接しても自ら判断する能力が欠如しては、直接民主主義統治は成り立たない。
直接民主主義統治を充分に機能させるには、国民が権力のチェックを行い、マスコミが権力のチェックを行うとする間接民主主義統治の不遜な考えを一掃する。
及び国民の政治的成熟を養うためマスコミの世論調査禁止と共に、学校教育で明日の国民を育て、マスコミで今日の国民を育てる、これらの考えを国民へ周知徹底させる。
21世紀初頭の習性から極めて難しいが、国民が利権を嫌悪する文化にまで高め、道徳や職業倫理の品性が徹底されてこそ、直接民主主義統治と地動説経済、世界史上未到の政経体制を保有する社会を私達日本人は所有して繁栄し、世界の範となることができる。
人間は欲望物が充分獲得できる他に自由の享受が不可欠である。
豊かになる、お金持ちになるとは、社会が許す範囲で好きな時に好きな事ができる。お金は自由が買えることではなかろうか。ローマ帝国の奴隷でさえ耐え忍びお金を持つと自由な身になれたと云う。
ところが私達は、江戸、昭和中期までの時代よりも著しく欲望物が充足し、且つより多くの自由を享受している。でも今が裕福との満足感は全く得られない。
地動説経済社会では貧困の病を確実に根治し、欲望物は遍く充足させ得るが、満足感は心の問題として残る。人は他人との格差を眺め満足感を得る厄介な精神構造かも知れない。この問題点は今後の脳科学に期待したい。
ただ今の時代にも都会を脱し、田舎で自給自足する人達は自由を謳歌し、満足感に浸る人達が大多数である。国が自給自足し欲望物を充足させる。これは解決の糸口となる。
天動説経済最大の欠陥は、国が借金する自縛と経済自由化である。経済自由化とは野生の生存競争を強いる、一国の産業を破壊し経済支配を公然と行う、過去の植民地支配の亡霊がまたしても彷徨う。まぁ平たく云えば押し売りが横行する住みたくない社会である。
日本人は世界が驚嘆する事も成し得る品性や事柄を保有する。
*自然災害に遭遇しても多くの国で発生する略奪、暴動なく、整然と助け合いに徹する。
*世界が驚く痛筋車両でもホームでは整然と並ぶし、津々浦々の鉄道では定刻運転する。
*これまた世界が驚嘆するウォシュレット・トイレと、故障のない多数の自販機が普及。
*これも世界が驚く、忘れ物は本人へ大半戻るし、落し物も戻る確率が高い。
*殺人の発生率は世界で少ないと云うが、こればかりは毎日の如く殺人報道に接する。
ヨーロッパEUは世界史上、征服の過程を経ずに国家統合の実験中である。
私達日本人は上記世界有数の品性を誇るが、更に今一歩品性を磨くなら生産力も所有しており、世界史上初となる上記政経体制の実験国に成り得る最も近い国である。
ただ一つ不幸なことは、天皇政権、幕府政権、明治政権、戦後民主主義政権へと統治変革の過程で、民衆がその変革に主導権を発揮しなかった。国民の行動は皆無であった。
幸いなことは、とても返済不能の天文学的数値の借金国へ突進しつつある。私達は間接民主主義統治の実態を放置し、自明である貧困の病の蔓延を許す筈がないと信じたい。
明治政権以来の教育制度のもと、いつの時代にも??のつく教育や教職者が存在したにしろ、充分な知性を備える皆さんが、次の体制変革へまたもや行動しないと信じたくない。
次回は日本建国党の外交方針などを述べ最終回とします。
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