地動説経済社会とは その2
by
大国主 みこと
from
日本 2014/04/28 18:03:58
地動説経済社会とは その2 2014.04.29 大国主 みこと
掲載No522、その1では貧困は人間社会に蔓延る病である、と述べた。家畜は口蹄疫であれ、鳥インフルであれ、病が蔓延すると哀れにも殺処分されるが、人間社会に貧困の病が蔓延すると、どの様になるだろうか?
貧困患者は殺処分されない代りに統治者が殺処分される。最近は「アラブの春」があり、古くはフランス革命がある。
これは専制独裁に原因があるのではない。昔ボルネオ島、今カリマンタンに存在するブルネイ王国は国王の専制独裁が今も続くが、国民の税金はなし、教育、医療は無料、通貨ブルネイ・ドル札はお金の役割を果し、貧困の病は蔓延せず社会は安泰である。
貧困の病が蔓延すると、昔はカストロ、ゲバラに続く共産主義戦士を輩出したが、今は欧米の失業した重篤な貧困患者はアルカイダ戦士となり、世界は9.11の再来に怯える。日本ではブラック企業やタコ部屋、今様逆タコ部屋と云い得る追出し部屋が繁盛する。
貧困の病が蔓延すると王政から共和制など統治の変革がなされたが、これはまだ穏やかである。統治者は統治の変革を恐れ、または自からの権力欲から他国へ侵略を行う。征服し奴隷化、植民地化し富を収奪し己と民に分ける。人間社会は闘争の歴史を刻んできた。
地球生命はその誕生以来、個体維持と種族保存をDNAに刻み、DNAに支配されて生きる。これは自然が定めた原理である。
自然の原理を逸脱できない人間は、個体維持と種族保存を遍く充足する社会を求め、統治の変革を行い、闘争の歴史を繰り返してきたが、さすがに21世紀初頭の人々は、戦争は個体維持と種族保存に絶大な致命傷を与える、且つ貧困を防ぐために貧富の格差是正が重要と認識した段階にあるが、闘争は各地に依然として残る。
また現実は国益と称する激しい生存競争の真っ最中にあり、野生動物さながらの縄張り争いが其処彼処にある。ウクライナもTPPも一例である。
貧困の病が極みに達しあるいは社会の安泰が維持できず、統治の変革を恐れるあまり、我が国及び他への侵略を虎視眈々と狙う近隣が今も複数存在する。
この様に貧困の病は甚だ、大変、極めて、物凄く怖ろしい病である。では地動説経済社会が、なぜ貧困の病の根治できるか?
貧困の病の根治は患者に特効薬の通貨を服用させる事に尽きる。しかし通貨がお金の役割を果さない時は特効薬とならない。それはどの様な時か?
A.他国に征服されとか国が存在しなくなる。現実にその事態が生じなくとも、今に征服されるゾ、真っ当な統治をしていないゾ、借金が増え経済的に破綻するゾ、と国民または世界の人々が思うだけ、信じるだけの風評で通貨はお金の役割を失う。
B.通貨を所持していても交換する欲望物がない。または交換する欲望物が極めて少ない。日本の戦後は生産設備が壊滅し欲望物の生産ができず、通貨が紙くず状態、ハイパーインフレを高齢者は経験し、今なら牛の餌に近い食料で多くの人達が飢えを凌いだ。
C.国民が勤労意欲を失い欲望物の生産が行われない。私達だけでなく、他国の人々にも日本に欲望物が存在しないと、円通貨はお金としての役割を失う。
残念ながら日本は貧困の病が蔓延する条件、ABCの全て満たし始めている。
A.は全くその通りであり、特に国の借金(負債)は1000兆円、貸借対照表を盾に国の借金は国民(子孫)の資産と宣う御仁もいるが、借金が返済されたら、タラ話であってその保証はどこにもない。通貨は国が保証するが、通貨の価値は風評(最重要)で定まる。
B.はTPPなど経済グローバル化を推進している。これは弱肉強食の野生社会を目指し、我が国の生産を衰退させる。よしんば強者となっても他国のための欲望物生産であり、今様の奴隷国である。今もって貿易立国を唱える御仁は世界の奴隷国に甘んじよ、と叫ぶに等しい。国民の必要な欲望物は自ら生産する。国の自給自足こそが貧困の病を防ぐ。
奴隷は人のために働き、あるじは自らのために働く。今更云うまでもない。
C.国民の勤労意欲は大いに旺盛であっても、経済合理性の赴くところ生産は御承知の通り国外で行われる。かくして失業者が溢れるか、低賃金に喘ぎ貧困の病が蔓延する。
日本人には誇れるものは多いが、こと経済はIMF、OECDの指標では悪い数値が多く、経済設計なく泥縄政策を続けるとデトロイト市の悪夢も想定内に入る。
そして世界が経済成長は大なるを良しとする天動説経済を続けると、貧富の格差が拡大(ジニ係数大)し、地球環境を破壊し、異常気象と激甚災害、食料危機の到来を警告する国連各機関の危惧が現実となる。
昨日4月28日、財務大臣の諮問機関が2014年1000兆円の借金は2060年に8000兆円となる試算を発表した。これで夕張市から数段も酷いデトロイト市へ、但し8000兆円は実現しないと安心できる。その前にギリシャ国状態になる。子孫のために水の豊富な田舎の土地を購入し、自給自足を皆さんに薦めたいが、既に中国人がその様な日本の土地を買占め、今も買占めが進行している。ご存知でしょうか? これは彼らの必要性が時間旅行者の感覚を研ぎ澄まし、彼らの社会を眺める人々が多いからである。
次回は貧困の病を根絶する具体的な方策を述べます。
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