http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/fluQA/QAdoc04.html#q17
17. インフルエンザワクチンの接種は効果があるのですか?
インフルエンザワクチンの接種を行うことで、インフルエンザによる重篤な合併症や死亡を予防し、健康被害を最小限にとどめることが期待できます。このワクチンの効果は、年齢、本人の体調、そのシーズンのインフルエンザの流行株とワクチンに含まれている株の抗原性の合致状況によっても変わります。
米国では「予防接種の実施に関する諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices:ACIP)」から、ワクチン株と流行株が一致している場合には、65歳以下の健常成人での発症予防効果は70〜90%、自宅で生活している高齢者の場合は、60歳以上で発症予防効果は58%程度で、70歳以上ではさらに低下するであろうと報告されています。施設内で生活している高齢者での発症予防効果は20〜40%と下がりますが、インフルエンザに関連する死亡の予防効果は80%みられたと報告されています。65歳以上の高齢者においては、医学的ハイリスク状態の有無に関わらず、インフルエンザのワクチン接種が二次性の合併症の発生頻度やインフルエンザに関連する入院や死亡の危険性を減少させるといわれています。また、A/H3N2亜型とA/H1N1亜型が流行した年におけるインフルエンザによる呼吸器疾患の予防効果は、1〜15歳の小児では77〜91%であったとの報告があります。また3〜9歳の健康小児では56%の発症予防効果などが報告されています。詳しくは、ACIPの報告書(Prevention and Control of Influenza. MMWR 2008;57(RR-7):1-59)をご参照ください。
日本では、厚生科学研究費による「インフルエンザワクチンの効果に関する研究(主任研究者:神谷 齊(国立療養所三重病院))」の報告によると、65歳以上の健常な高齢者については約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったとしています。また、同じく厚生科学研究費による「乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果に対する研究(主任研究者:神谷 齊(国立療養所三重病院)・加地正郎(久留米大学))」では、
1) 1歳未満児については対象数が少なく、有効性を示す確証は認められなかった。
2) 1歳以上6歳未満児については、発熱を指標とした有効率は20-30%となり、接種の意義は認められた。
としています。
インフルエンザに対する治療薬も実用化されていますが、感染前にワクチンで予防することがインフルエンザに対する最も有効な防御手段です。特に65歳以上の方や基礎疾患を有する方(心臓、じん臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の周りの生活を極度に制限される方、又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方)では、インフルエンザが重症化しやすいので、かかりつけの医師とよく相談のうえ、接種を受けられることをお勧めします。
また、インフルエンザの流行株は毎年変化しますし、ワクチン接種による重症化の予防に有効な免疫レベルの持続期間はおよそ5ヵ月間となっていますので、毎年シーズン前にワクチン接種を受けることが必要です(Q19参照)。また毎年その年に流行が予測されるウイルス株を使用してワクチンは製造されますので、当該シーズンのワクチンを、インフルエンザが流行する前に接種し、免疫を高めておくことが大切です(Q19,Q20参照)。
なお、当然のことですが、インフルエンザワクチンの接種ではSARSや、ヒトに感染例が認められている鳥インフルエンザ(A/H5N1亜型)はもちろん、他のウイルスによる「かぜ」(かぜ症候群)にも効果はありません。
私がレスをすると必ず妄想や作り話と攻撃する方があるので調べてみました。