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No.22569
少し長いですがあるサイトより。  よろしければ読んで下さい。
by 無回答 from バンクーバー 2012/04/02 12:07:19


その女性は何をしても続かない人でした

田舎から東京の大学に来て
部活やサークルに入るのは良いのですが
すぐイヤになって
次々と所属を変えていくような人だったのです

そんな彼女にも
やがて就職の時期がきました

最初
彼女はメーカー系の企業に就職します

ところが仕事が続きません

勤め始めて3ヶ月もしないうちに上司と衝突し
あっという間にやめてしまいました

次に選んだ就職先は物流の会社です

しかし入ってみて
自分が予想していた仕事とは違うという理由で
やはり半年ほどでやめてしまいました

次に入った会社は医療事務の仕事でした

しかしそれも
「やはりこの仕事じゃない」
と言ってやめてしまいました

そうしたことを繰り返しているうち
いつしか彼女の履歴書には
入社と退社の経歴がズラッと並ぶようになっていました

すると
そういう内容の履歴書では
正社員に雇ってくれる会社がなくなってきます

ついに
彼女はどこへ行っても正社員として採用してもらえなくなりました

だからといって
生活のためには働かないわけにはいきません

田舎の両親は早く帰って来いと言ってくれます

しかし
負け犬のようで帰りたくはありません

結局
彼女は派遣会社に登録しました

ところが
派遣も勤まりません

すぐに派遣先の社員とトラブルを起こし
イヤなことがあればその仕事をやめてしまうのです

彼女の履歴書には
やめた派遣先のリストが長々と追加されていきました

ある日のことです

例によって
「自分には合わない」
などと言って派遣先をやめてしまった彼女に
新しい仕事先の紹介が届きました

スーパーでレジを打つ仕事でした

当時のレジスターは
今のように読み取りセンサーに商品をかざせば値段が入力できるレジスターではありません

値段をいちいちキーボードに打ち込まなくてはならず
多少はタイピングの訓練を必要とする仕事でした

ところが
勤めて1週間もするうち
彼女はレジ打ちにあきてきました

ある程度仕事に慣れてきて
「私はこんな単純作業のためにいるのではない」
と考え始めたのです

とはいえ
今までさんざん転職を繰り返し
我慢の続かない自分が
彼女自身も嫌いになっていました

もっとがんばらなければ
もっと耐えなければダメということは本人にもわかっていたのです

しかし
どうがんばってもなぜか続かないのです

この時
彼女はとりあえず辞表だけ作ってみたものの
決心をつけかねていました

するとそこへ
お母さんから電話がかかってきました

「帰っておいでよ」

受話器の向こうからお母さんのやさしい声が聞こえてきました

これで迷いが吹っ切れました

彼女はアパートを引き払ったらその足で辞表を出し
田舎に戻るつもりで部屋を片付け始めたのです

長い東京生活で
荷物の量はかなりのものです

あれこれ段ボールに詰めていると
机の引き出しの奥から1冊のノートが出てきました

小さい頃に書きつづった大切な日記でした

なくなって探していたものでした

パラパラとめくっているうち
彼女は
「私はピアニストになりたい」
と書かれているページを発見したのです

そう
彼女の高校時代の夢です

「そうだ
あの頃
私はピアニストになりたくて
練習をがんばっていたんだ。。。」

彼女は思い出しました

なぜかピアノの稽古だけは長く続いていたのです

しかし
いつの間にかピアニストになる夢はあきらめていました

彼女は心から夢を追いかけていた自分を思い出し
日記を見つめたまま
本当に情けなくなりました

「あんなに希望に燃えていた自分が今はどうだろうか

履歴書にはやめてきた会社がいくつも並ぶだけ

自分が悪いのはわかっているけど
なんて情けないんだろう

そして私は
また今の仕事から逃げようとしている。。。」

そして彼女は日記を閉じ
泣きながらお母さんにこう電話したのです

「お母さん
私 もう少しここでがんばる」

彼女は用意していた辞表を破り
翌日もあの単調なレジ打ちの仕事をするために
スーパーへ出勤していきました

ところが
「2,3日でいいから」
とがんばっていた彼女に
ふとある考えが浮かびます

「私は昔
ピアノの練習中に何度も何度も弾き間違えたけど
繰り返し弾いているうちに
どのキーがどこにあるかを指が覚えていた

そうなったら鍵盤を見ずに
楽譜を見るだけで弾けるようになった」

彼女は昔を思い出し
心に決めたのです

「そうだ
私は私流にレジ打ちを極めてみよう」と

レジは商品毎に打つボタンがたくさんあります

彼女はまずそれらの配置をすべて頭に叩込むことにしました

覚え込んだら
あとは打つ練習です

彼女はピアノを弾くような気持ちでレジを打ち始めました

そして数日のうちに
ものすごいスピードでレジが打てるようになったのです

すると不思議なことに
これまでレジのボタンだけ見ていた彼女が
今まで見もしなかったところへ目がいくようになったのです

最初に目に映ったのはお客さんの様子でした

「ああ
あのお客さん
昨日も来ていたな」

「ちょうどこの時間になったら子ども連れで来るんだ」
とか
いろいろなことが見えるようになったのです

それは彼女のひそかな楽しみにもなりました

相変わらず指はピアニストのように
ボタンの上を飛び交います

そうしていろいろなお客さんを見ているうちに
今度はお客さんの行動パターンやクセに気づいていくのです

「この人は安売りのものを中心に買う」
とか
「この人はいつも店が閉まる間際に来る」
とか
「この人は高いものしか買わない」
とかがわかるのです

そんなある日
いつも期限切れ間近の安い物ばかり買うおばあちゃんが
5000円もするお頭付きの立派なタイをカゴに入れてレジへ持ってきたのです

彼女はビックリして
思わずおばあちゃんに話しかけました

「今日は何かいいことがあったんですか?」

おばあちゃんは彼女ににっこりと顔を向けて言いました

「孫がね
水泳の賞を取ったんだよ

今日はそのお祝いなんだよ

いいだろう
このタイ」
と話すのです

「いいですね
おめでとうございます」

嬉しくなった彼女の口から
自然に祝福の言葉が飛び出しました

お客さんとコミュニケーションをとることが楽しくなったのは
これがきっかけでした

いつしか彼女はレジに来るお客さんの顔をすっかり覚えてしまい
名前まで一致するようになりました

「○○さん
今日はこのチョコレートですか

でも今日はあちらにもっと安いチョコレートが出てますよ」

「今日はマグロよりカツオのほうがいいわよ」
などと言ってあげるようになったのです

レジに並んでいたお客さんも応えます

「いいこと言ってくれたわ
今から換えてくるわ」

そう言ってコミュニケーションをとり始めたのです

彼女は
だんだんこの仕事が楽しくなってきました

そんなある日のことでした

「今日はすごく忙しい」
と思いながら
彼女はいつものようにお客さんとの会話を楽しみつつレジを打っていました

すると
店内放送が響きました

「本日は大変混み合いまして大変申し訳ございません

どうぞ空いているレジにお回りください」

ところが
わずかな間をおいて
また放送が入ります

「本日は混み合いまして大変申し訳ありません

重ねて申し上げますが
どうぞ空いているレジのほうへお回りください」

そして3回目
同じ放送が聞こえてきた時に
初めて彼女はおかしいと気づき
周りを見渡して驚きました
どうしたことか5つのレジが全部空いているのに
お客さんは自分のレジにしか並んでいなかったのです

店長があわてて駆け寄ってきます

そしてお客さんに
「どうぞ空いているあちらのレジへお回りください」
と言ったその時です

お客さんは店長に言いました

「放っておいてちょうだい

私はここへ買い物に来てるんじゃない

あの人としゃべりに来てるんだ

だからこのレジじゃないとイヤなんだ」

その瞬間
レジ打ちの女性はワッと
泣き崩れました

お客さんが店長に言いました

「そうそう

私たちはこの人と話をするのが楽しみで来てるんだ

今日の特売はほかのスーパーでもやってるよ

だけど私は
このおねえさんと話をするためにここへ来ているんだ

だからこのレジに並ばせておくれよ」

彼女はポロポロと泣き崩れたまま
レジを打つことができませんでした

仕事というのはこれほど素晴らしいものなのだと
初めて気づきました

すでに彼女は昔の自分ではなくなっていたのです

それから
彼女はレジの主任になって
新人教育に携わりました

彼女から教えられたスタッフは
仕事の素晴らしさを感じながら
お客さんと楽しく会話していることでしょう 。




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Res.1 by 無回答 from 無回答 2012/04/02 12:09:34

ええ話や・・・
Res.2 by 無回答 from 無回答 2012/04/02 12:19:46

↑本当に。。。
Res.3 by 無回答 from 無回答 2012/04/02 12:36:20

どんなお仕事でも頑張っている人は、かっこいいなと思えます。
Res.4 by 無回答 from 無回答 2012/04/02 12:36:26

辛抱すればいつかは光が見えてくるですね。時には我慢も必要ですね。
Res.5 by 無回答 from 無回答 2012/04/02 13:02:31

いいお話ありがとう、トピ主さん。 この話を読んで、ジャパレスでサーバーをやっていた時のことを思い出しました。 私もこのお話の女性と同じで、契約や短期の仕事ばかりしていた末に友達の紹介でサーバーのお仕事につきました。 最初は体はきついし、仕事は単調でつまらないし、無理を言うお客さんとかいて辞めたいと思ったこともたくさんありましたが、今まで1年と続いた仕事がなかったから、今度は辞めないで何年かやってみようと思い、頑張りました。 そのうち余裕が出てきたのでオーダーとるだけでなく、一人一人のお客さんを大事にすることを心がけたら、会話がはずむようになってどんどん接客が楽しくなりました。 常連さんの「いつものと同じで」にも躊躇なく対応できるようになり、お世辞でしょうけど「あなたがサーバーじゃないと同じ味がしないのよ」と言ってくれるお客さんまで出てきました。 最後の方は本当に楽しく仕事してました。 今でも良い思い出です。
Res.6 by 無回答 from バンクーバー 2012/04/02 13:09:25

少し感動してしまいました。
私も飽きっぽい性格なので、共感します。
仕事は何か自分の好きな事から、入っていって応用するのがポイントですね。
Res.7 by 無回答 from 無回答 2012/04/02 14:37:01

いいお話ですね。読んでいてウルッときてしまいました。
私もがんばろうっと♪

Res.8 by 無回答 from バンクーバー 2012/04/02 15:34:06

たかがレジうちと思うだろうけどプロになるにはやはり時間を要します。

これは何に技術においても同じ。技術は真似はできても彼女になれない。これが技術。




Res.9 by 無回答 from 無回答 2012/04/02 15:35:30

全く感動しなかったんだけれど、私って心が荒んでいるのかなぁ。
Res.10 by 無回答 from バンクーバー 2012/04/02 16:32:05

そんな事ないと思いますよ。人それぞれ感じ方は違いますから、別に感動しなくてもいいと思いますよ。
Res.11 by 無回答 from バンクーバー 2012/04/02 17:14:39

くだらねーー。
時間無駄にした。
Res.12 by 無回答 from バンクーバー 2012/04/02 18:55:16

感動して泣いてしまいました!
いろいろなところにある、些細な出来事により・・・
人生が良い方向に変わりますね!
「明日という字は明るい日と書く」ですね!
Res.13 by 無回答 from 無回答 2012/04/02 19:03:35

動画もよかったらどうぞ、結構有名なお話です。

http://www.youtube.com/watch?v=iN7Tqvb759M
Res.14 by 無回答 from バンクーバー 2012/04/02 19:41:39

いいお話ですね。感動しました。

今時の若者に是非、見せてあげたいです。

一生懸命になれるのもってその人を輝かせますよね。

この彼女にあってみたい気がします。

ありがとう。
Res.15 by 無回答 from バンクーバー 2012/04/09 01:43:52

再度、これを読みました。また、感動して泣いてしまいました!

こちらの話も心温まりますよ!
本当に、世の中捨てたものじゃありませんね。

とあるタクシー運転手との出来事
http://www.youtube.com/watch?v=RkhKoukjN8c&feature=related
Res.16 by 無回答 from バンクーバー 2012/04/21 22:40:30

このような心温まる話をもっとお願いします!
Res.17 by 無回答 from 無回答 2012/04/22 01:20:23

まあいい話だけど、嘘っぽいかな。
一人の客もレジを移らないなんてちょっとありえないもの。
感動している人たちごめんなさい。
私は「いい話」だとも思うけど、私が客の立場だったら自分の買った商品についてあれこれ言われたり名前を覚えられたりするのが好きじゃないのでこ女性を特に好きになることもないだろうな。
私も同じような長さの列かほんの一人二人他より長いぐらいだったら好きなレジ打ちの人のところに並ぶことがあるけれど(この「好き」という意味は愛想が良くてほとんど間違えないという意味です)明らかにそのラインが他より長いときはわざわざその人にやってもらうため(ましてや話すため)に並んだりしません。
Res.18 by 無回答 from バンクーバー 2012/04/22 01:22:03

いいお話を知っている人「ちょっと見てよ」のカテにトピ立ててくださいな。あそこ行ってもあんまりトピ立てる人いないので。
Res.19 by 無回答 from 無回答 2012/04/22 09:33:02

最後がうそくさいというか、現実の日本社会だったらそうならなさそう。
お客さんがひとつのレジに固まってしまって、他のレジ係りからクレームも出て、褒められるどころか「困るよー○○さん、他の人と足並み揃えてやってもらわないと…お客さんとおしゃべりする暇あったらもっと働いてよー」とか言われて”出る杭打たれ”そう。
私もひねくれてますね、でも正直な感想。
Res.20 by 無回答 from バンクーバー 2012/04/22 10:29:13

>私もひねくれてますね

本当に・・・ 
毎日楽しいですか?
Res.21 by 無回答 from 無回答 2012/04/22 17:33:45

↑うん、それなりに。楽しいよ。
楽しいか楽しくないかというのと、現実をわきまえているかどうかは別だしね。
Res.22 by 無回答 from バンクーバー 2012/04/24 19:40:05

↑ うわぁ。。。
Res.23 by 無回答 from バンクーバー 2012/04/24 19:46:19

>↑うん、それなりに。楽しいよ。
>楽しいか楽しくないかというのと、現実をわきまえているかどうかは別だしね。

性格が。。。
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