面倒なのでコピペ
まずクレジットカード会社での計算についてです。VISAやMasterといった国際クレジットカード会社は、各市場での為替動向や各国の経済情勢などを加味しながら各通貨間の換算レートを毎日決定します。
一方、新聞やテレビなどで「今日の為替相場終値は1ドル110円60銭から65銭でした」などと言っているのは、特に断らない限り外国為替市場での銀行間取引レート(仲値、TTM)のことです(質問者さんが「日本で見ているレート」とおっしゃるのはこれのことでしょうか?)。
これら二つのレートにどの程度差があるかですが、結論から申し上げればほぼ同じ数字になります。私の過去の経験では換算レートと銀行間取引レートとの乖離は通常0.2%程度以内、大きい時でも0.7%程度です。(回答の最後にデータを付けておきましたのでご参考までに)
さてこれも既にお調べのように、海外でクレジットカードを利用した場合は手数料が1.6%ほど上乗せされます。クレジットカード会社が決定した換算レートが1ドル=110円なら、利用者に請求されるのはおっしゃる通り1ドルにつき111.76円ということになります。手数料1.6%が加算されたこのレートを「請求レート」と呼ぶことにしましょう。
請求レートは買物の時点では確定しておらず、利用データが集計センターに送られた時点で初めて確定し、その数字は利用明細書などでやっと分かるわけですが、上で説明したように銀行間取引レートに1.6%を加算したものを目安と考えてよいわけです。
一方のトラベラーズチェック(以下TC)ですが、米ドル建てTCを買う場合のレートは銀行間取引レート+1円、発行手数料が1%ですので、全体では銀行間取引レートに約2%が上乗せされることになります。わずかではありますがクレジットカード(銀行間取引レートに約1.6%上乗せ)の方が有利ということになります(*1)。参考までに日本の銀行で米ドル現金に両替した場合のレートは銀行間取引レート+3円で、三者の中では一番不利です。
よって今回のハワイ旅行については、支払いはなるべくクレジットカードで行った方が得という結論になります。
なおお節介ではございますが、もしたくさん買い物をされるならクレジットカード会社に「利用枠の一時増額」の申請をしておくことをお勧めいたします。
【クレジットカードのレートと仲値との比較】
VISAインターナショナルの例です。海外利用手数料は1.63%です。仲値のデータは
http://fx.sauder.ubc.ca/data.htmlによります。
●2004.7.6決済 ユーロ決済レート 136.633 円/EUR
これを1.0163で割ると134.442 円/EURです。一方6日の仲値は134.27 円/EURで、差は+0.13%です。
●2004.7.20決済 マレーシアリンギット 29.038 円/MYR
÷1.0163 28.565 円/MYR ⇔ 20日仲値 28.521 円/MYR
差異 +0.18%
●2004.9.15決済 米ドル 111.525 USD/円
÷1.0163 109.736 円/USD ⇔ 15日仲値 110.35 円/USD
差異 -0.56%
●2004.10.12決済 台湾元 3.3040 TWD/円
÷1.0163 3.2510 円/TWD ⇔ 12日仲値 3.2288 円/TWD
差異 +0.68%
●2004.11.21決済 スイスフラン 90.258 CHF/円
÷1.0163 88.810 円/CHF ⇔ 19日仲値 88.697 円/CHF (※21日は日曜のため金曜のレートを参照)
差異 +0.13%
●2005.2.21決済 香港ドル 13.775 円/HKD
÷1.0163 13.554 円/HKD ⇔ 21日仲値 13.526円/HKD
差異 +0.20%
*1 シティバンクのように手数料無料でTCの発行を受けられるなら、クレジットカードよりTCが有利になることもあり得ます。