こんにちは。
日本では代理出産や未受精卵子の凍結保存は「基本的」には倫理的に認められていません。
あとは諏訪マタニティクリニックのように院長の裁量で秘密裏に行われるかどうかだと思います。
未婚女性の未受精卵の採取、凍結保存はガン患者のみという壁が日本にはあります。
今、採卵と保存をしてくれそうなクリニックを見つけました。が、保存してくれるのは45歳の誕生日までで、それを過ぎたら廃棄するとあります。
http://www.haramedical.or.jp/content/freeze/000150.html
採取保存するクリニックは諏訪マタニティクリニック(35歳までという条件あり)、神谷レディース(日本産婦人科学会によるガイドラインを遵守してのみ実行)、セント・ルカ(学会の許可の下、卵子凍結を行っており、許可案件以外は卵子凍結自体が出来ない)、セントマザー産婦人科医院などです。
http://www.stmother.com/index.html
質問者さんのリンクのモントリオールの例はかなりポジテイブな書き方ですが、実際に行われる凍結保存された未受精卵は「凍結→融解」の過程で相当のダメージを受けます。ここが受精卵と未受精卵との大きな違いです。いま盛んに研究されているのは、ここのダメージをいかにして抑えて、受精率、着床率、出産にまで至る率を上げるかという部分です。その蘇生率、妊娠率に関しても卵子の質に大きく左右されますので、35歳までしか施行しない病院が多いのです。
大変失礼ですが、今42歳とのこと、35歳未満の卵子と比べると既に卵子の質が低下していることは否めないと思います。健康な男女の自然妊娠でさえ、40歳を過ぎると10%以下、体外受精の成功率(成功率)は20代であれば50-60%、30代前半までで30%程度、30代後半で20%程度、40歳で10%程度、42歳で数%、45歳ではほぼ0%に近いものです。この体外受精は凍結卵ではなく、未凍結卵での成功率です。
40歳を過ぎた未受精凍結卵で受精、着床する可能性は極めて低いと思われます。ご存知だと思いますが、卵があるだけではダメなのです。融解に耐え、精子と受精するだけの機能があることを必要とされます。そして受精しても、次の壁が待っています。着床しなければ妊娠は成立しません。着床しても40代での流産率はかなり上がります。
話しが長くなりましたが、今の質問者さんの立場で日本で受けるには、日本産婦人科学会に直談判するか、上記のようなクリニックに何度も交渉するかしかないでしょう。未婚、35歳以上、ガンなどを患っていないという条件ですんなり受けてもらえるとは思えません。
カナダでも難しいと思いますし、例えできてもカナダの医療費も恐ろしく高額ですよ。貼っていただいた記事にもありましたが、子どもが将来母親の凍結卵を使うか使わないかを決めるものであって、使わなければならないわけではない。一つの選択しに過ぎないと、医師、母親ともに強調している辺りを見ると、カナダでもこれは初めてのこと「特例」であることが伺われます。ですので、カナダで簡単に施してもらえることはないでしょう。
きつい言葉が過ぎたかもしれませんが、私本人不妊で苦しみ、いろいろと調べました。なので経験はなくてもある程度知識はあるつもりです。質問者さんの気持ちも分からないではありません。
逆を言えば、今彼がいる。彼が今は結婚や子づくりに積極的ではないとのことですが、そこから詰め寄ってみたらいかがですか?質問者さんが子どもを作れるリミット(を過ぎている)だということ、どうしても彼との子どもが欲しいことを訴えてみる。それとも、それでも質問者さんの気持ちなど分かろうとしない?それなら、そんな彼と未来はありますか?ましてそんな彼なら、凍結卵を使ってまで顕微授精(になるでしょう)してまで子どもを持ってくれますか?
既にリミットの年齢です。新鮮な卵子で自然妊娠が可能なら、それが継続(きちんと受精、着床し流産しないという意味です)の可能性が高いと思います。
将来他の男性と出会って、そのときのために?こればかりは人によると思いますが、凍結卵と子ども作りが待っていたら男性はどう思うでしょうか?家の夫はそういうのが苦手です。一通りの検査をし、不妊治療を受けるかどうかまで悩みましたが(主に私が)、夫は踏み切れずに「Happens to happn, doesn't happen, it doesn't」と押し切りました。それを無理矢理押し付けたら私たちは終わっていたと思います。今の彼でも、これから出会う男性でも、その彼を大切なのか、子どもを持つことが大切なのかをよく考えてください。ただ彼の種が欲しいだけ(これは夫が私に言った言葉です)なら精子バンクを利用して(アメリカなら簡単だと思います)、今すぐに子どもを作ればよいです。
そうでなければ自然にできればラッキー、そうでなければこれが運命と私は思います。こればかりは人それぞれの価値観なので、私の意見を押し付けることはできませんが。
ただ、質問者さんが冷静に考えられず「方法があるのならやっておかなくちゃ!」と、それしか見えていないように感じたので書きました。費用はもちろん、説得にもかなりの知恵と根気と知識と時間とお金がかかると思います。そこまでする価値があるかどうかを、もっと冷静に考えてから行動しないと、結局凍結卵を使うことがなかった、使っても妊娠できなかったときに後悔しないかな?と思った次第です。辛口ですが、今から交渉をして検査をして実行に移るのに1年、43歳の未受精凍結卵で妊娠の可能性は1%もないと思います。
パートナーもいて、健康体であるのですから、自然にできることを先になさったほうがいいと思います。日本産婦人科学会を説得する方が、彼を説得するよりも大変だと思いますよ。